黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るシーンやプレーヤーから生きるヒントを探ります。

守りから始まる攻撃もある~センバツ履正社エース竹田がまたも逆転劇演出

3月31日の2017年センバツ決勝は史上初の大阪勢対決が決まった。準決勝の履正社報徳学園、続く大阪桐蔭秀岳館をテレビ観戦した。

 履正社は安田尚憲のホームランで先制するなど序盤押したが3回に報徳学園が早くも投手リレー。1アウト満塁でさらに点を取られたら苦しくなるところだったが続く打者を三振とキャッチャーフライに打ち取る好救援で乗り切った。

 

報徳学園は同点に追いつき、逆転に成功し、そのまま3-2とリードして9回の攻防へ。1死1、3塁から打者は再三スクイズの雰囲気を見せていたが3度目の正直でまんまと成功。この場面、なぜ報徳学園バッテリーは1球外さなかったのかと疑問に思った。あまりに正直に勝負しすぎた。

 

もう少しで決勝進出だったのにその後悪送球が絡み9回だけで4点も取られた。決勝進出を逃しただけでなく今大会での勇退が決まっていた永田裕治監督の最後も飾れなくなってしまった。報徳学園ナインには悔やまれる結果になった。

 

思うに9回1アウト1、3塁のピンチは3回の1アウト満塁をしのいだことが逆効果になったのではないか。きっと今度もうまくいく。そんな過信はなかったか。

 

野球は実は失敗の多いスポーツだ。だからこそ慎重に守り、攻めないといけない。あれだけスクイズの構えを見せていたのだからウエストしたら逆に飛び出した3塁ランナーを殺せたかもしれない。

 

とまあ外野はいくらでも好きなことが言える。だがピンチの時ほど冷静に、自分の守護霊的な立ち位置から自分の行動を見ることで防げるピンチはまあまああると思う。

 

履正社報徳学園は守りをきっちりした後の攻撃が得点に絡んだ印象が強かった。9回表の履正社の攻撃も、8回裏に履正社のエース竹田祐が報徳学園の4番、5番、6番を3者凡退にしたことが起点になったと見た。やはり流れ、リズムは大事だ。竹田はこの日2番手として登板。6回に3点目を失いはしたが相変わらず大崩れはしない。しっかりペースを作ってチームの逆転を引き出した。竹田祐は開幕日の日大三高戦でも逆転劇の立役者だった。9回裏は一打同点もありうる大ピンチだったがそこは竹田祐を責めるよりかは報徳学園の粘りを誉めるべき。さすが伝統校だ。

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  そう、攻めはその前の守りから始まることがある。チームの調子が悪い時でも自分たちができることをまずきっちりやることで反転攻勢を引き出せばいいのだ。年度末、年度初め、自分たちのペースで物事が進まないことはありがちだがあわてず騒がずできることを着実にこなしていこう。

 

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センバツ史上初の2試合連続引き分け再試合と稀勢の里戦を並行視聴~全力を出し切るって素晴らしい

センバツで延長15回引き分け再試合が珍しいのに何と2試合連続で起きた。福岡大大濠滋賀学園と、福井工大福井高崎健康福祉大高崎だ。

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 ドラマの録画を見ていたのでもう福岡大大濠滋賀学園は終わったかなと思ったら延長14回が終わったところだった。で、15回の表裏で決着がつかず、いったん翌日に再試合が決まった(その後翌々日の第9日目に変更)。

 

その流れで福井工大福井高崎健康福祉大高崎を見始めた。知り合いが福井にいるので福井工大福井を応援。1-0のまま9回に突入し、高崎健康福祉大高崎の攻撃も2アウト。ただしランナーは2、3塁。一打逆転サヨナラの大チャンスだ。

 

ここで2塁ランナーが不用意に塁を離れた。と思ったらトリックプレーだったようだ。ピッチャーが2塁に送球した間に3塁ランナーが本塁突入。まんまと陥れた。それどころか名演技の2塁ランナーもすかさず3塁に到達していた。

 

高崎健康福祉大高崎といえば機動力が持ち味。とはいえ、この土壇場での「ダブルスチール」にうならされた。 追い込まれたところで持ち味を発揮するとはなかなかだ。

機動破壊の秘策 健大高崎 実戦で使える走攻守96の究極プレー

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 その後得点圏にランナーが出たり、長打が出たりと再三勝ち越しやサヨナラのチャンスが生まれたものの、両チーム最後まで気を抜かずそのままゲームセットした。中継で特にアナウンスはなかったが2試合連続の引き分け再試合は史上初ではなかろうか?

 

前の試合の福岡大大濠滋賀学園が27日の第4試合に設定されていたため、「まさか27日は第5試合まで組まれるのか」と色めき立ってしまったがさすがにそんな日程は組まれなかった。福岡大大濠滋賀学園は第9日目の第1試合、福井工大福井高崎健康福祉大高崎はその次の第2試合に落ち着いた。

 

結果的に4チームとも1日の「休養日」が発生。せっかくセンバツのために鍛えてきたのだからちょっとでもいい調子で戦ってもらいたいもの。だから1日体をケアできる時間ができてよかった。とはいえ応援団はちょっと気の毒。いったん地元に帰らねばならない人もいるし休みがもう取れない人もいるだろう。

 

なお福井工大福井高崎健康福祉大高崎に熱中しつつも大相撲が気になっていた。稀勢の里が左肩を負傷しながらも14日目に強行出場。ただし調子は思わしくなく2敗目を喫した。その状態で千秋楽、本割に勝ったうえで優勝決定戦も制することができなければ優勝はない。成し遂げればまさに奇跡の逆転優勝というシチュエーションだった。

 ただし延長までずっと福井工大福井高崎健康福祉大高崎を見てきたので今更チャンネルを変えるわけにもいかない。ということで画面は小さくなるが2画面でテレビを視聴した。そのときまさに本割が行われる寸前だった。

 

ご存知の通り、稀勢の里は本割で押し込まれながらも照ノ富士を下した。照ノ富士は14日目、大関復帰を目指す琴奨菊に対し立ち合いで変化。すさまじいブーイングを浴びた。稀勢の里は「負傷」「逆転の可能性(への期待感)」「日本出身」という、観客の応援の要素が三つもある。優勝決定戦が行われると決まった瞬間、大歓声が起きた。 

 ただしまだ優勝決定戦が残っていた。福井工大福井高崎健康福祉大高崎を見ながら優勝決定戦をチェック。アツい試合がよくぞ同時並行で行われるものだ。稀勢の里は土俵際まで追い込まれながらも会心の逆転。見ているこちらも思わず「うわっ!」と声が出た。

 

表彰式は6時台に突入しニュースは10分遅れに。それでも優勝インタビューが収容できなかった。君が代斉唱のあたりで稀勢の里は感極まって泣いていた。こんな時こそインタビューが生で聞きたかった…。

 

そして福井工大福井高崎健康福祉大高崎はお互い決め手を欠き、というかお互い気を抜かないいいプレーの連続でそのままドロー。確かにスコアボードは0行進が続いたが実況アナウンサーが「どの0にも価値がある」と言ったのはさすがだった。

 

これだけ盛りだくさんだときょうは書きたいことが散漫になる。が、福岡大大濠滋賀学園と、福井工大福井高崎健康福祉大高崎、そして稀勢の里照ノ富士戦に無理やり共通項を見出すとしたら「実力を出し切る」ことの素晴らしさ。見ているこちらもすがすがしくなる。

 

これはもちろん大相撲の14日目の照ノ富士への当てつけでもある。大関復帰を目指す琴奨菊の挑戦を変化でかわしたことは目先の1勝を獲得し優勝戦線を優位にしたことは間違いない。クレバーな作戦だ。しかしこの1勝と引き換えに照ノ富士への応援ムードは影を潜め逆に稀勢の里への同情を高めることになった。 

 黒柴スポーツ新聞は稀勢の里横綱昇進をよしとしていなかった。が、この稀勢の里の頑張りを見れば素直に横綱昇進を認めたくなる。不器用さを隠さない稀勢の里への応援ムードは高まり支持基盤は固まったと見える。実は稀勢の里の逆転優勝を一番喜んでいるのは相撲協会の幹部だったりして。

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 新横綱としての優勝は貴乃花以来22年ぶり。くしくも貴乃花も脚をいため絶望視された状況で優勝を勝ち取ったことがある。その瞬間の「鬼の形相」は語り草だ。「痛みに耐えてよく頑張った」の小泉純一郎首相のコメントも印象的だった。もしこの日も安倍晋三首相が来ていて「痛みに耐えてよく頑張った」と土俵上で言ったら森友学園問題も一気に風向きが変わったかもしれない?なんてつい想像してしまった。

 最後まであきらめない。自分の力を信じる。その大切さを高校野球と相撲に思い出させてもらった一日だった。

 

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不発の清宮幸太郎に屈した明徳義塾高校~2017センバツ9回2死からまたもドラマ

何かにつけて「侍」と言うのが流行っているのか。WBCを業務中に見ていた人は「コソッと侍」。ブレイクした小林誠司の控えに甘んじた大野奨大は記事で「控え侍」なんて書かれていた。年度末、黒柴スポーツ新聞編集局長は「残業侍」な日々である。

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 きょうは楽しみにしていた明徳義塾早稲田実業の一戦があった。履正社日大三も好カードだったが試合巧者の明徳義塾と強打者の清宮幸太郎がどんな試合をするのかすごく興味があった。

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予想に反して明徳義塾が先制した。さすがにじわじわと早稲田実業も迫ってきたが明徳義塾にはホームランが飛び出し貴重な4点目が入った。このまま逃げ切るかと思ったがそこは早稲田実業。きっともうひとヤマ作るはずだ…。黒柴スポーツ新聞編集局長は明徳義塾を応援していたがその予想は不幸にも、そして思わぬ形で当たってしまった。

 

9回2アウトからのピッチャーゴロ。からのエラー。からの清宮幸太郎四球。からの押し出しで同点。

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「もしもピッチャーが捕れていたら」

「弾いてもすぐにファーストに投げられていれば」

 

明徳義塾を応援していた人は「タラレバ侍」になっていた。

 

確かにあれは大きなプレーであり、今後の清宮幸太郎の育ち具合によれば何度となく再生されそうなシーンとなった。が、1回戦を勝ち上がった履正社同様、早稲田実業も勝てたのは大物というよりは脇役が活躍した。清宮幸太郎もあの局面で打席が回ってきたら気負いそうなものだ。が、じっくり球を見極めての四球。さすがである。

 

 

…とここまで書いたところで力尽き、執筆2日目。どうせなら試合結果を世間がどう報じたかも見てみよう。

 

明徳義塾がある高知県で発行されている高知新聞。社会面ではアルプスの光景が紹介されている。ぐっと来たのはあのピッチャーゴロを取りそこなった北本投手のお父さんのコメント。なんと試合当日が誕生日だったそうだ。

 

「いい誕生日になりました」

 

これ以上のコメントはあるまい。負けはしたけれど、この後こそ大事。北本投手や明徳ナインは夏に向けてレベルアップすることでこの負けに価値を付ければいい。

 

それにしても高知県民は今回のセンバツで、ともに9回2アウトからの内野ゴロに一喜一憂したことだろう。40年ぶりの出場となった中村高校は9回2アウトからのセカンドゴロが捕球される直前に奇跡のイレギュラーバウンド。外野に抜ける間にランナーが帰り、40年ぶりの1点を記録した。負けはしたが中村高校を応援した人々は幸せな気持ちになった。

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逆に明徳義塾は勝ちきれなかった。当たりは強かったがゲームセットと思った瞬間、歯車が狂った。25日の新聞には「これで勝てると思った」という清宮幸太郎の談話が載っていた。確かに前の打者が出塁した直後の清宮幸太郎の顔は「よっしゃ」となりつつも努めて冷静さを保とうとしているように見えた。和泉監督も「次が清宮だったし」と、清宮幸太郎の存在感を勝因の一つに挙げたという。

 

2016年日本シリーズネクストバッターズサークルに立った大谷翔平のように、スターはいるだけで圧をかけられる、ということか。いや、立っているだけではなかった。試合中は声が枯れそうになるほどチームメイトを鼓舞していたそうだ。この日の清宮幸太郎は強打者である前にキャプテンの職務を全うした、ということになる。

 

「あと一歩で勝ち切れないのは、まだ何か足りないということ」

 

25日の高知新聞には明徳義塾馬淵史郎監督のコメントが載っていた。「何か」を探す作業はすでに始まっていることだろう。夏の高知県大会がもう楽しみだ。

 

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侍ジャパン敗戦で2017WBC事実上閉幕~野球の魅力も厳しさも感じた準決勝

WBCが終わった。正確に言えば侍ジャパンの勝負が終わった。1-2。惜敗。時の運。いろいろなワードが出てくるが負けは負けだ。

 

2失点はいずれもエラー絡み。野球はミスをした方が負ける、という当たり前のことを思い出した。たった1球が、たった1プレーが勝負を負ける。国際大会であればなおさらだ。だがそのはかなさみたいなものも野球の魅力ではある。発展途上の若者がひたむきに白球を追う高校野球があれだけ人を引き付けるのもこの点だろう。

 

それにしても野球の神様は試練を与えるな、と思う。先制を許すきっかけになった菊池涼介のエラー。芝生のふちだったか、ちょっとイレギュラーしたようにも見えた。数々のファインプレーで魅了した名手のエラーが大事な試合の失点につながったのは皮肉だ。

 だがうすうす野球ファンは気付いている。菊池涼介はスーパープレーの陰でたまにやらかす、と。2016年日本シリーズ第2戦でもセカンドゴロに思えた打球処理を誤りタイムリーエラーになってしまった。打者のバットが折れて打球が若干不規則になった面はあるが。

 

最近は心臓に当たったらいけないからと、体にゴロを当ててでも捕れという指導はされていないのだろうか。打球に正対する古典的なスタイルであればWBC準決勝でのあの打球もさばけたんじゃないかと思った。

 

決勝点につながったのは松田宣浩へのサードゴロ。前進、バックホーム態勢のところにおあつらえ向きの打球だった。が、処理前にホームを見てしまったか。プロ野球選手でもこういうことがあるんだなと思った。雨中の試合。雨をたっぷり含んだ内野の芝の上で弾んだ打球の跳ね方も独特なのだろう。なんだかんだ書いてしまったが、菊池涼介といい、松田宣浩といい、その雰囲気その局面でプレーした人にしか分からない部分はある。

 

そう、大変さはその人にしか分からない。

松田宣浩 (スポーツアルバム No. 31)

松田宣浩 (スポーツアルバム No. 31)

 

気の毒に2人が敗因を背負う格好になっているが、実は責任をひしひしと感じていると思われる人物がいる。不動の四番、筒香嘉智だ。 

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得点機に一本が出なかった。ここぞという時に打ってくれた主砲だったがこの日は不発だった。クライマックスは8回。ツーアウトながら1、2塁のビッグチャンス。ここが勝負だとみんな分かっていたからこそスタンドのファンも立ってアメリカを、日本を応援してワーワーなっていた。

 

変則的なフォームの右投げピッチャーではあったが「左打者にはチャンスがある」と解説の原辰徳サイドスローからの投球がややインコースの低めに来た。それを筒香嘉智がとらえた。かに見えた。昼間見られなかったので夜、録画を見たのだが、結果が分かっているにも関わらずあまりにいい角度で飛んで行ったので「うわ!」と声を出してしまった。筒香嘉智自身、いい感触はあったかもしれない。だが打球は失速し外野手のミットに吸い込まれた。

先発・菅野智之はさすがと思わせるピッチング。過去のシーズン中、ここぞという時に崩れた頼りなさは微塵も感じられなかった。

 

小林誠司は今大会最も成長した選手だと思う。たまに見せるガッツポーズも、一つ一つ自信を得ている証拠に見えた。捕手生活を振り返った時、転機になった大会と答えるだろう。菅野智之の快投と小林誠司の大ブレイク。巨人ファン的にはウハウハだ。

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 そしてメジャーからの注目も高まった千賀滉大。決勝点は与えてしまったが圧巻の4者連続奪三振。プロ入り後3軍で鍛えた男がメジャーリーガをきりきり舞いさせたのは痛快。近い将来、法外な金額でメジャー入りしそうな雰囲気がプンプンする。

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 日本においてWBC観戦がまだまだ成熟していないと感じるのは結局自国の試合にしか関心がない点だ。アメリカとの準決勝中継最終盤、今大会のスーパープレー集映像が流れたが内外野ともアクロバティックで超人的な守備がバンバン出てきた。こういうのをもっと認知してもらわないと。このへんがワールドカップのあるサッカー人気に劣る。サッカー通は自国以外の選手やスーパープレーをよく知っている。

 

というわけで日本国内でのWBCは準決勝をもって事実上閉幕した。肝心の決勝は後夜祭なのだ。

 

僅差で負けたから敢えての提案。次の4年間は打ち勝つ野球を目指してはどうか。もちろん投手力は最低でも今のレベルを維持した上で、だ。プエルトリコやオランダ、アメリカをパワーを生かしたプレーが多い印象だ。日本は緻密で繊細なプレーを信条としているが今やアメリカもパワー頼みではない。相手が細かいプレーまでしだしたのであれば日本は逆に剛腕豪打を意識してもいい。

 

もっともどんな野球を目指すのかは監督次第。侍ジャパン敗戦後、小久保裕紀監督は「任期満了」と退任の意向を示した。2020年には東京でオリンピックがあるので監督が交代するのであればオリンピックも視界に入れての人選となる。

 

個人的には栗山英樹ジャパンを見てみたい。今回は残念ながら見られなかったが大谷翔平侍ジャパンにいるのなら起用法も柔軟にやってくれそう。もともと侍ジャパンは結束が武器なのであれば2016年に日本ハムを日本一に導いた実績からもいい結果が期待できそうに思えたのだ。

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 過去の監督の中からの再登板ならもう一度原辰徳に率いてもらいたい。勝負師である点はNPB監督経験がなかった小久保裕紀を上回る。リーグ優勝7回、日本一3回。何より第2回WBC優勝監督であり、いま現在巨人の監督ではない。

原点―勝ち続ける組織作り

原点―勝ち続ける組織作り

 

 エラーから監督人事の話まで欲張って書いてしまった。ともかく野球ってこんなに面白いんだなということは十分すぎるほど伝わった。心配された視聴率もそこそこ頑張ったようだし。侍ジャパンの面々を中心に、2017年シーズンも野球観戦を一緒に楽しみましょう。

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センバツ中村高校9回の粘りに心がホカホカ~40年ぶりの1点がもたらしたもの

二十四の瞳」高知・中村高校が甲子園に帰ってきた。第89回選抜高校野球には16人での出場だから「三十二の瞳」なのだがインフルエンザなど体調不良で4人が開会式を欠席。入場行進は結果的に「二十四の瞳」になってしまったが40年前はその人数で準優勝に輝いた。4人の回復を祈りつつ、逆に吉兆と思えばいい。そう思った。 

輝け甲子園の星 2017年3月号

輝け甲子園の星 2017年3月号

 

 前橋育英との試合は静かな立ち上がり。前橋育英の投手はなかなか球に力がある。中村高校はそう簡単にはヒットが出なそうだ。前橋育英は下位のバッターでも鋭い当たりを放つ。機動力も交えてくる。自信があるようでランナーが出ても簡単には送ってこない。2回にはタイムリーが出て2点を先制した。

 

中村高校のエース北原もしり上がりに調子が出てきた。3回にはけん制でランナーを刺した。このまま何とかしのいでほしい…。だが6回につかまりさらに3点を取られてしまった。

 

中村高校は7安打を放ったが得点圏であと1本が出ず。6回無死2塁からのショートゴロで、走者が3塁に向かってアウトにされた場面がちょっと悔やまれるがそれは結果論。ただしその後2死1、3塁まで攻めたてながら無得点に終わったことで試合のペースは前橋育英がさらに握ることになり6回裏の追加点につながったと見た。

 

9回表、中村高校の攻撃に入るころからアルプスを中心にスタンドがにぎやかになっているようだった。テレビの音声を通じて伝わってきた。この日の第2試合で中村高校と同じ21世紀枠の多治見が古豪・報徳学園の滅多打ちに遭い0-21と大差をつけられた。思わず1985年の東海大山形とPLの試合を思い出してしまった。

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多治見は1点も取れなかったが中村高校にはせめて1点取ってもらいたい…。

高知県民の思いが通じたのか1死から4番・一円が2塁打。得点のチャンスが生まれた。続く5番中野が1塁ゴロに倒れるも2死三塁。まだ得点機は続いている。ここでタイムリーが出れば…。スタンドはがぜん盛り上がっていた。

 

「点を取って、お世話になった地域の方に恩返しを」(中村高校ナイン)

「中村高校のこれまでの頑張りをカタチに残させてあげたい」(四万十市民)

「せめて1点取れたら今夜おいしい酒が飲めるのになあ」(ただ酒が飲みたい高知県民)

※第三者の勝手な想像です。

 

さまざまな思いが奇跡を呼んだ。6番岡上の当たりはセカンドの守備範囲。「ああ、セカンドゴロだ。終わった…」と誰もがあきらめかけた瞬間、2塁手の目の前で打球がイレギュラーバウンド。2塁手が追いつけずライト前タイムリーになった。中村高校に40年ぶりの1点が入った。

 

なおも1、2塁のチャンスだったが8番武田は三振に倒れた。だが武田は難しいファーストゴロも上手にさばいていたぞ! インフルエンザに倒れたチームメイトともども体調不良だったことを考えればバッターボックスに立てただけでも頑張ったじゃないか。9回の中村高校の粘りにスタンドからは温かい拍手が送られた。

 

思えば2016年夏の高知県大会も9回の粘りで魅せた。最後まであきらめない姿勢はいつも好感を抱かせる。

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 エース北原は敗戦後も淡々としているように見えたがスタンドに一礼すると涙をこらえきれなかった。あの涙にはどんな意味合いがあったのか。悔しさか、それともやりきった充実感か。確かに打たれた球はちょっと高めに浮いていた気がする。前橋育英クラスになると失投は見逃してくれない(そして当然明徳義塾も)。多彩な球種は前橋育英打線にも通用していたから夏への糧にしてもらいたい。

 

負けたけれど、清々しい。いいものを見たなあ、と不思議な余韻に浸れている。群馬県民、前橋育英ファンには申し訳ないけれど、あのイレギュラーバウンドのおかげで今夜高知県民はちょっと心がほかほかしている。野球の神様は時々、本当に味なことをなさるものだ。

 

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追いつかれても追い越させないことが大事~センバツ履正社9回の猛攻を呼び込んだ竹田の踏ん張り

第89回選抜高校野球が開幕した。開幕式直後の第1試合は呉ー至学館。いきなり延長の好ゲームだったが呉が振り切った。第2試合は履正社日大三という好カードで予想通りの白熱した試合。12-5で履正社がねじ伏せた。

 

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まだ大会初日だというのにこんなペースで面白い試合が続いては見ている方もクタクタ。しかも黒柴スポーツ新聞編集局長はひいきのチームでなければ基本的にテレビをつけた時点で負けている方を応援することにしているためどうしても力が入る。

 履正社日大三は強豪同士だったためどちらを応援ということもなかったが以前日大三の記事を書いたこともあり若干の感情移入はあった。 

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高校野球ファンには笑われそうだが履正社の安田尚憲を初めてテレビで見た。でかい。オリックスから阪神に移籍した糸井嘉男のようだ。バットに当たったらどこまでも飛んでいきそうなスケール。さすが「東の清宮、西の安田」と言われるだけはある。

 

が、そこは高校野球の面白いところ。日大三のエース桜井が好投しこの日安田尚憲は3三振(5打席目にタイムリーでやり返したのはさすが)。桜井のスライダーはキレッキレで安田は翻弄されていた。 

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が、そこは高校野球の面白いところ。そのスライダーを履正社の石田がひっぱたき逆転3ラン。主砲が結果を出せなくともここぞというところで勝負に勝ち試合を優位に進めた。

 

終わってみれば12-5。どうしても履正社9回一挙7点に目が行きがちだが試合のポイントには8回裏、日大三の攻撃を同点止まりに押しとどめた履正社・竹田の踏ん張りを挙げたい。

 

日大三・津原の同点打は三塁打。後攻めの日大三としては一挙にひっくり返したいところだ。強い学校の選手はそういう「要所」を心得ている。逆の立場から見れば履正社・竹田は何としても逆転を許してはいけない。

 

世の中的にもこれが大事。調子やタイミングが悪くて勝負の過程でライバルに追いつかれてしまうことはある。だがそれに一喜一憂する暇があるなら考えねばならない。どうしたら追い越されないかを。勝ち越されさえしなければ勝機はまだある。

 

履正社・竹田はここで踏ん張り後続を2者連続三振にした。その裏の猛攻を呼び込んだのは竹田の好投と言っていい。竹田は初回、なんと1球目から7球続けてストライクが入らなかった。どうなることやらと思ってみていたが試合をしながら立ち直り要所を締めたのは素晴らしかった。

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どうしても主砲やエースが素晴らしいチームは個人にフォーカスされてしまいがち。だが野球はご存知の通り9人でやるもの。履正社の3番・安田尚憲と4番・若林がともに1安打ずつだったのに対し1番・石田は2安打3打点、2番・溝辺も決勝打など2安打2打点の大活躍。岡田監督が「みんなでカバーしあえた」と言ったのは偽らざる心境だろう。

 

いきなり履正社のそういう「強さ」を見せつけられてしまった。果たしてこのまま頂点に駆け上がるのか。次戦で当たる呉ともいい戦いになることを期待したい。これを書いている大会2日目も第1試合の高岡商盛岡大付は6回の攻防を終えて8-8の同点。こんなにいい試合が多くては体がもたないかも…。にしても岩手代表と戦う高岡商の応援で「あまちゃん」のオープニングテーマがあるのは何とも面白い。

 

 

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引退の川上憲伸はもうナゴヤドームのマウンドに立たないのか~大物選手の引退を考える

川上憲伸が引退を決めた。ドラゴンズファンには感慨深いだろうが若干の賞味期限切れ感は否めない。

その証拠に読売新聞記事では「川上さん」とさん付けになっている。すでに過去の人扱いだ。
http://www.yomiuri.co.jp/sports/npb/20170319-OYT1T50093.htmlwww.yomiuri.co.jp

とはいえ同年代の上原浩治は寂しそうだった。高橋由伸はどんなコメントを出すだろうか。

二人は東京六大学時代からのライバル。川上憲伸は通算28勝を挙げた。そして同じ明治のエースだった星野仙一を追うかのように中日へ。川上憲伸高橋由伸と新人王を争い、そしてものにした。新人王からちょっと間はあったがMVP、最多勝沢村賞に輝いた。
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ただ、ドラゴンズファンならずとも思ってしまう。アメリカ挑戦は正解だったのかと。

もちろん結果論。だがプロは結果がすべてでもある。アメリカでは通算8勝。きっと、思い浮かべていた結果ではなかった。

日本では通算117勝。立派な成績ではあるが川上憲伸であればもっと高い数字を残せたのではないか。そう考えてしまう。

川上憲伸自身、思うようにコンディションが整わないもどかしさはあっただろう。だからこそ納得いかなかったのではないか。このまま終わるわけにはいかないんだ、と。

川上憲伸には大きく二つの選択肢があった。現役続行を模索するか、中日の選手として引退するか。一時代を築いた選手だから、希望してもしなくても引退セレモニーはできたはずだ。が、川上憲伸は数少ない可能性を求めた。

それは無謀な挑戦に思えた。すでに川上憲伸は中日で戦力とみなされていなかったのだ。肩の調子も思わしくない。これで満足に戦えるのかと思ってしまった。

三冠王になった松中信彦もそうだったがもはやメンツではない胸中になるのだろうか。松中信彦川上憲伸レベルになってくるともう第三者ではよく分からない。

でも、こういう引退もいいかなとも思う。最近はこれが引退試合です、これが最終打席です、これが最終登板ですと分かっているパターンが多い。

それはそれでファンへのあいさつであり、ファンもまた感謝を伝えられるいい機会。引退試合は映像で見てもぐっとくる。

だがプロ選手の寿命はある日ある瞬間絶たれても不思議ではない。振り返ったらそれが最後の出場だったという選手の方が圧倒的に多いのだ。川上憲伸は自分で終止符を打てるだけの選手だったというだけだ。

そういう意味では黒田博樹の去り方は見事だった。日本シリーズの前にしっかり引退を表明。チームメイトにもファンにも気持ちを伝えた上でシリーズに登板した。そして脚を痛めて結果的に大谷翔平が最後の対戦対手になった(しかもきっちり討ち取って)。先日オープン戦の一場面として始球式に「登板」。自分のことで周りに迷惑をかけない黒田博樹らしい締めくくり方だった。その場面でも投手の邪魔にならないよう、プレートは踏まず一塁側にちょっとずらして立っていたというのだからこの人はどこまで素敵な人なんだと思ってしまった。
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果たして川上憲伸は何らかの形で再びナゴヤドームに立つことがあるのか。アメリカでは引退選手と1日だけ契約することがあると聞いたことがある。黒田博樹永久欠番15をみんなで付けた黒田博樹のセレモニーみたいなことはできないとしても何か素敵なイベントはできないものか。ぜひドラゴンズファンの手で川上憲伸のプロ生活にきっちり終止符を打ってあげてほしい。

引退、戦力外にまつわる記事はこちら。って何本書いてるんだか。
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松井秀喜5連続敬遠に「忘れられる権利」はないのか~早実・清宮幸太郎の明徳義塾イメージは「松井さんのやつ」

明徳義塾高校馬淵史郎監督はくじ運がいいのか悪いのか。第89回選抜高校野球でいきなり早稲田実業とぶち当たる。今大会屈指の視聴率男・清宮幸太郎と相まみえるのだ。強打者VS試合巧者。高校野球ファンならよだれものの対戦である。

 

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「明徳の印象は」と聞かれた清宮幸太郎は「松井さんのやつ」と言ったらしい。清宮も清宮だが、質問した人も質問した人だなあ。ダチョウ倶楽部の「押すな押すな」的呼び水にしか見えない。

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一度のミスも許さない。日本は実は不寛容な社会。毎日どこかで謝罪が繰り広げられている。だが一度貼られたレッテルをはがすのは容易ではない。明徳義塾高校も全国制覇までしたチームなのに、いまだ1992年の松井秀喜5連続敬遠のダークなイメージのままだ。

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 ただし、いい人ぶるつもりもない。何を隠そう自分も1992年当時は松井秀喜の肩を持っていた。甲子園でプレーするために頑張ってきたのだから1回くらいバットを振らせてあげろよなあと。明徳義塾高校には申し訳ないけれど「やりすぎ」と思った。

 

だが25年も経つとものの見方も変わってくる。そして今は明徳義塾高校の作戦が「合理的」に思える。高校通算60ホームラン、打率4割を誇る強打者にバットを振らせたらかなりの確率で何かが起きるのだ。

 

あの日、かなりの人がアツくなりすぎて忘れていた。松井秀喜が甲子園でプレーするために頑張ってきたのと同じように、明徳義塾高校ナインもまた人生を賭けてプレーしていたことを。

 

久しぶりに映像を見ると覚えておかなければならないことをいくつか見つけた。

 

一つ目は松井秀喜の次打者、月岩信成が1点目をスクイズで入れたこと。世の中的には下のスポニチ記事のように、松井秀喜の次の月岩信成が打てなかったから星稜は敗れたと記憶されている。確かに無安打だったからそうなのかもしれない。しかし試合が3-2のロースコアだったことを考えればこの1点は決して小さいものではなかった。

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もう一つは松井秀喜が9回、5度目の敬遠でなすすべなく1塁に向かったと思いきや2アウトなのに走って盗塁を決めたことだ。5連続敬遠が重すぎて盗塁していたことを知らなかった。そしてさすがだなと思った。松井秀喜はあの絶望的な状況の中でも自分でできることを探し、実行していたのだ。きっとこういう人が成長して力を付けていくのだろう。

 

最後に5打席連続敬遠の指揮官、馬淵史郎監督が当時まだ36歳だったこと。30代なんてまだまだ青年監督で通せそう。だがその若さで、老獪と評されても仕方ない作戦を実行していたのだ。正攻法だけじゃ勝てないとある種究極の戦法をその年齢でとっていたことにうならされた。

 

こんなことを書くとまだまだ「卑怯な野球を肯定するのか」と言われるかもしれない。だが松井秀喜を打席に迎えた状況を振り返ると明徳義塾高校がとった敬遠策はうなずける。え?ランナーなしでも敬遠しましたよね!とツッこむ人もいるだろう。確かにそうだ。が、松井秀喜なのだ。ランナーなしでも相手は松井秀喜。ホームランを打たれたら1点入る。繰り返すが試合は3-2で終わっている。もしも松井秀喜がホームランを打っていたら…

 

むしろ5連続敬遠してもなお接戦だった、というのが本当のところなのだ。

 

そんなの高校野球らしくないとも言われるだろう。だが高校野球らしさって何? 全力疾走、確かに小気味いい。だが夏なら炎天下に走ること自体負担大。「さわやかだねえ」と思う我々はクーラーの効いた部屋で高校野球中継を見ているのだから説得力ナシ。

 

調子に乗って提案するがそろそろ甲子園じゃなくて京セラドームで全国高校野球大会を開催してはどうか。きっとここでも「青空の下」が高校球児には似合うんだ!と言われるだろう。それはそうだ。だが環境省熱中症予防情報サイトを見てみてほしい。暑さ指数(気温とはちょっと違います=詳しくはサイト参照)が28~31度は厳重警戒(激しい運動は中止)。暑さ指数31度以上になると運動は原則中止なのだ。

環境省熱中症予防情報サイト 暑さ指数とは?

例外が大好きな日本的なことも書いてある。暑さ指数31度以上は「特別な場合以外は運動を中止する」なのだ。それみたことか、甲子園は特別なんだぞ!という人とはこれ以上やり合わない。実際に2015年には体調を崩した人がいるとだけ書いておく。

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敬遠も高校野球らしくないというならルールを変えたらいい。これも100万回言われたことだが敬遠は進塁させたり走者を増やすリスク込みの戦法だ。実際月岩信成のスクイズ松井秀喜敬遠により舞台が整っての得点だ。明徳義塾高校も必死だったのだ。

 

だが表面的な高校野球らしさとやらに負けて明徳義塾高校はヒール役になってしまった。悲劇的なのはそれが25年も続いていることだ。

 

どうだろう。そろそろ松井秀喜5連続敬遠の評価を変えてみては。見方を変えれば雑草魂。与えられた環境でしたたかに生き抜く雑草。松井秀喜という稀有な強打者に対して、5連続敬遠は弱者の兵法だったのだ。大阪第3代表と揶揄されようが甲子園に出たもん勝ち。明徳義塾高校のひたむきさはほかの県代表と何ら変わらない。 

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そして実は高知県内でも明徳義塾高校ファンはいる、ということも書いておこう。今回のセンバツは根強い人気がある「高校野球らしさ」満載の「二十四の瞳」中村高校とセットで出るため、高知県高校野球ファンにはたまらないのだ。

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 中村高校は前橋育英明徳義塾高校早稲田実業と、いずれも強敵との対戦。試合展開によってはまた明徳義塾が清宮幸太郎を敬遠するのか。そしたらまた松井秀喜5連続敬遠がクローズアップされる。そしたらまた月岩信成がクローズアップされ…もっとも月岩信成も人生を熟成させてきているようだからさらりと受け止めてくれるかもしれないが。

 

人は一度貼ったレッテルをなぜ簡単にはがそうとはしないのか。なぜそんなに他人を攻撃したがるのか。悲劇の当事者・月岩信成にまで攻撃が及んだことを知ってぞっとする。甲子園は何人もの球児の人生をファンが消費してきた壮絶な場所。だからやっぱり爽やかさだけでは語れない。

 

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WBCで好投続く千賀滉大が3軍でぐんぐん伸びた訳~背番号128からの下剋上

WBC侍ジャパンがまた勝った。テレ朝難民のため15日のイスラエル戦を見られなかったが、結果を見る限り、思う。この試合のMVPは千賀滉大じゃないのかと。

 打ち勝った印象が強いが千賀滉大の記事はスマートニュース内を回遊する限りいっぱい見つけられた。その中で面白かったのはこのスポニチ記事。

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この恩師とは倉野信次コーチである。千賀滉大とは3軍コーチ時代に出会ったそうだ。この記事では「3軍があったから誕生した選手であり、偶然、最適の師もそこにいた」と書かれている。

 

詳しくは記事を読んでもらうことにして、千賀滉大は「軽自動車」だったが今はかっこいいスポーツカーになってきた。欠点を挙げればきりがなかっただろうけれどそこは3軍のいいところ。「長所を伸ばす」作戦が功を奏し球速がアップしたそうだ。

 

ついつい指導者は欠点を直す。千賀滉大も、もし制球面の指導ばかりされていたらここまでのストレートが投げられるようになったかどうか。

 

とにかく背番号が128だったのだ。それが菅野智之より、石川歩といったドラフト1位よりも、育成4位入団の千賀滉大の方が現時点は安定感がある。これが痛快。人は成長できるのだと実感させてくれる選手だ。

 

3軍なんて気が遠くなる。1軍と3軍の間には2軍があり、1軍でも試合に出られる人とそうでない人がいる。千賀滉大はそこから成りあがってきた。自分の力で。2016年には12勝と安定した成績。もうちょっとで最高勝率のタイトルにも手が届きそうだった。

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西スポの記事では千賀滉大が斉藤和巳に「蒲郡(千賀の故郷愛知県蒲郡市)から出てきて、ここで先発した時点でおまえの勝ちや!」と励まされたという。 

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そこに若干「蒲郡くんだり」というニュアンスも感じられるがまあ斉藤和巳が言わんとすることは伝わってくる。いわば雑草魂。雑草はたくましく育つ。そしてしたたかに生き残る。 

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千賀滉大という「雑草」は3軍選手という身分上、いつ引っこ抜かれてもおかしくなかった。しかし倉野信次コーチらが手塩にかけて育てた結果ぐんぐん伸びた。師匠も驚くほどに。そして今、日本の野球ファンの心を躍らせ、次はメジャーリーガーを驚かすことになる、かもしれない。今の侍ジャパンの継投、投手起用は行き当たりばったり感満載だから千賀滉大がどこで登場しても不思議ではない。とにもかくにも、もう一度強打者をきりきり舞いさせるシーンが見たい。 

  主砲・筒香嘉智も打った後喜びをあえて見せない「能面侍」と言われているが千賀滉大もそんなイメージ。だが準決勝以上は一投一打に燃えることだろう。筒香嘉智といい千賀滉大といい、能面侍らしからぬ歓喜の表情がぜひ見たいものだ。

 

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侍ジャパン打線好調で2017年WBCの視聴率がよいらしい~スモールベースボールから脱皮するのか

WBCの視聴率がいいらしい。産経ニュースによると14日のキューバ戦(TBS系列)は関東地区の平均視聴率が27.4%だった。

12日のオランダ戦(テレビ朝日系列)は関東地区の平均視聴率が25.2%だったそうだから少し上がった。オランダ戦が延長を制した熱戦だっただけに呼び水になった感はある。

こちとらテレ朝難民だから見られないと分かった時の脱力感と言ったら何とも言いようがない。昔は居住地のせいにしていたがインフラが整った昨今、テレビ朝日難民はただの言い訳にすぎない。見たいものがあるなら投資せねばならない。いいコンテンツにはそれ相応の対価が払われるべきなのだ。

別に侍ジャパンにとって視聴率は直接関係ないが応援や盛り上がりのバロメーターではある。これを書いている2次ラウンドのイスラエル戦も6回に打者一巡の猛攻。一挙5点を奪い優勢にゲームを進めている。強いぞ侍ジャパン

それにしても筒香嘉智が頼りになること! まさに主軸。打ってもニヤニヤしない様はまさに侍である。四番だから一発狙いしても責められないのにきっちり同点タイムリー打ったりとカッコよすぎ。
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そして昨日書いたが小林誠司がブレイク中。今夜もしぶとく打点を記録した。キューバ戦の勝負どころでは代打に内川聖一が器用されたがそこは役者が違っただけ。別に小林誠司がマイナス評価を食らった訳じゃない。
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キューバ戦でのタイムリー、見ましたか? あの弱々しいレフト前タイムリー。しかしそのレフトがデスパイネセカンドランナーを殺せそうな気配がない。ホームに突っ込ませた三塁コーチャーの大西コーチがしっかり状況判断できていたと解説の原辰徳が評価していたが、そこそこの野球好きなら勝負を懸けられそうな場面ではあった。まあ口で言うのは簡単。あの場面で迷いなく腕を振れるのがプロだ。

あれだけ打てないと酷評されていたのにホームランがそこそこ出るし、継投もフラフラしそうだったのがそこまで大崩れはしない。この辺りが素直に視聴率に反映されていると見た。

そう、やはり面白い試合をしたらファンは喜ぶのだ。これに尽きる。個人的には投手戦なり接戦が好きだが、みんなで盛り上がるにはそれなりに爆発してもらわねば。侍ジャパンが勝つなら守り勝つ野球とされていた面があるが、このまま打席が好調ならWBC閉幕の頃には打ち勝つ野球に衣替えしているかもしれない。そうなればますます視聴率が楽しみだ。

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なぜか今更読まれている記事はこちら。平野佳寿が投げた日に読まれているのだろうか…。
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イスラエル戦先発の千賀滉大の記事はこちら。
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WBCラッキーボーイ小林誠司はMVPになるのか~一皮剥ける時は一気に行こう

完全に一皮剥けた。WBCに出ている小林誠司。弱点と思われていた正捕手がストロングポイントになっている。

2次ラウンドのキューバ戦。中盤、ブルペンが映った。松井裕樹平野佳寿が準備していた。贅沢な抑え。これらの球を順番に受けるのだ。侍ジャパンの正捕手の経験は何物にも代えがたい。

6回裏、4ー5の劣勢ではあったが1アウト1、2塁からその小林誠司が打席に。ここで打ったら完全に波に乗ってるってことだなあと思ったが初球から積極的にバットを振り、弱々しいながらもレフト前に同点タイムリーを放った。

一塁上の小林誠司は凛々しい顔つき。このまま巨人の正捕手に定着してくれないかなあと思ってしまう。

基本的に打つ方は求められていなかったからこそ、小林誠司が打つと盛り上がる。だがぼちぼち小林誠司が打席に立つと期待が高まってきている。

何戦目だったか岡田俊哉がテンパって崩れそうになった時、小林誠司が2ボールからタイムを取ってマウンドに行ったことが評価されている。そう、声かけはタイミングが重要。終わってからあの時こうしときゃよかったのにというのは誰でもできる。

討ち取った後放心状態の岡田俊哉の体を「やったじゃん!」とばかりに叩いているシーンがよかった。

おいおい、あんまり仲良くなりすぎるとペナントレースが戦いにくくなるぞ。そんな心配すらしてしまう。

ま、いいか。楽しそうだから。そう、プレッシャーもあるだろうし大変そうではあるけれど楽しそうなのがいい。

社会人的にもかくありたい。誰だって初めてのポジションは大変。緊張感もあるし。だけどハマるかもしれない。小林誠司みたいに期待値が低かったらうまくいくごとに評価はうなぎ上りだ。まだまだ世の中は減点主義がはびこっているからポイントは貯められる時に貯めておこう。

ああっ、ここまで書いたところで小林誠司に代打・内川聖一が告げられてしまった。8回裏1アウト1、3塁。ま、そりゃそうだな。内川聖一がきっちり犠牲フライ。
内川家。

内川家。

これが内川聖一。我らがホークスの、と書いてるうちに山田哲人がスタンドに2ランを叩き込んだ。9回の守備には炭谷銀仁朗が出てきた。抑えは牧田和久だから順当。

さらに解説の原辰徳が「小林も成長したけど炭谷がマスク被ると落ち着くね」。

小林誠司の成長への道はまだまだこれから、のようである。

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踏まれても立ち上がらない~三浦大輔の番組で雑草魂を学ぶ

三浦大輔が出た「SWITCHインタビュー 達人達」を見た。雑草が専門の稲垣栄洋氏との対談だ。

逆境での闘い方 ~折れない心をつくるために~

逆境での闘い方 ~折れない心をつくるために~

近鉄が誇る大エース、通算312勝の鈴木啓示のモットーは草魂。踏まれても踏まれても的な。しかし実際の雑草はそこが踏まれやすい場所だと分かったら、上に伸びずに横に伸びるという。
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VTRではシロツメクサの生え方が人が通る所とそうでない所とでは違うと説明していた。見た感じ、踏まれやすい所のはベタッと貼り付いた感じ。そうでない所のはふんわりした感じだった。同じ種類なのに、だ。ここが重要。

踏まれても立ち上がらないのが雑草魂だと稲垣栄洋氏は言う。踏まれながら生きるのが雑草なのだ、と。

雑草は弱い。だからこそライバルがいない場所で生きるという。そして無駄なエネルギーは使わないで環境に順応していく。結構賢い。

雑草の成功戦略―逆境を生きぬく知恵

雑草の成功戦略―逆境を生きぬく知恵

まっすぐ伸びる雑草はそうないそうだ。そう聞くと、ちょっとホッとする。

番組後半は三浦大輔が鍛えた宜野湾市立野球場周辺でのトーク。最初はここに来るのが嫌で嫌で仕方なかったという。三浦大輔でもそうだったんだな。

稲垣栄洋氏から三浦大輔に逆境でどう対応したかの質問が出た。プロはレベルがあまりに違う。まずは存在価値を示さないといけなかった。アピールの一つがリーゼント。なんだその頭は、切ってこい!とか言われたが三浦大輔いわく「当時はパンチパーマの人もいましたからね」。それって屋鋪要のこと?
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2段モーション習得により頭角を表すも、ルール改正で修正を余儀なくされた。稲垣栄洋氏は三浦大輔の壁の乗り越え方を「壁の向こう側を見て道を探している」と評した。2段モーション禁止、それそのものとは戦わなかった。三浦大輔いわく内心何でだとは思ったそうだが「決まったことでどう戦っていくか」なのだという。

自分が変わるしかない、とも。

そう、そうなのだ。

置かれた環境で生きていかなければならないのであれば自分が変わるしかない。ただし。できうるならばせめてちょっとでも自分らしい変身にしたいものだ。しなやかに、したたかに。雑草から学ぶことがたくさんあった。

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安藤友香、乙女走りで名古屋ウィメンズマラソン2位、初マラソンで日本歴代4位タイム~合理的かどうかは本人にしか分からない

2017年3月12日、名古屋ウィメンズマラソンが開かれた。これを書き始めた時点(27キロ過ぎ)でキルワと安藤友香(スズキ浜松AC)が激しいつばぜり合いを繰り広げていた。

 

安藤友香は腕を下げて、あまり振らずに走る。フォームについてはすでに話題になっていた。2016年4月の兵庫リレーカーニバルに出た安藤友香についてのデイリースポーツの記事では「乙女走り」と書かれていた。

www.daily.co.jp

昔のサザエさんのエンディング最終盤で一家が一軒家に向かうシーンのような上半身固定フォームだ。一般的には腕をリズミカルに振る。それが理に適っていると思うのだが何をやるにも結局どんなやり方が合理的かどうかなんて本人にしか分からない。

 

上のデイリー記事には野口みずきの豪快な腕振り、イチロー振り子打法野茂英雄トルネード投法を例に出し「己を貫いた末に実績をつくった」と書いてあった。そう、自己流は貫かないと攻撃の対象になる。特に日本は異質なものを認めないから自己流の人が失敗した場合それ見たことかと徹底的にたたく。イチロー野茂英雄も実際のところは批判の対象になりかけたが力でねじ伏せただけのだ。

 

あの大谷翔平でさえそう。二刀流は今でこそもてはやされているが特にプロ野球OB(しかもレジェンド級)はそろって否定的だった。

 

例えば野村克也。下のアサヒ芸能記事では「プロ野球ですよ。アマチュアじゃないんだから。そりゃ無理ですよ。ピッチャーだけでも大変なのに、バッターも両方なんて、とんでもない。それほどプロ野球は甘くない」と酷評している。

www.asagei.com

ただしノムさんがエライのはちゃんと謝罪したことだ。黒柴スポーツ新聞は別にノムさんを断罪するつもりもない。確かに大谷翔平は規格外でおそらく本人と栗山英樹監督以外誰もここまでの成功はイメージできなかっただろうから。

www.hochi.co.jp

 一流選手でさえこのくらいのリスクがあるのだから一般人なんてさらにハイリスク。自己流を貫いた挙句批判の対象になる可能性はものすごく高い。オレ流ならある程度とんがるか、逆に絶対に周りに迷惑をかけない覚悟が求められる。

 

話を名古屋ウィメンズに戻す。

「すごい新人が現れました!」。39キロあたりで実況の森脇淳アナウンサーも興奮を隠せない様子だった。「人生を変える一歩になると思います」と解説の高橋尚子。安藤友香は初マラソンで、いきなり2時間21分台が射程圏内になっていた。キルワはスパートが成功し優勝が濃厚。中継は安藤友香のタイムに関心が移っていた。

 

そして2時間21分36秒でゴール。安藤友香はなんと日本歴代4位の記録をたたき出してしまった。上には野口みずき渋井陽子高橋尚子しかいない。2時間22分30秒の派遣標準タイムを切ってロンドンでの世界選手権代表に内定した。

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結果が出たので当分は容認されそうな乙女走り。安藤友香は目標が東京五輪での金メダルだそうだからこのまま文字通り突っ走ってほしい。

 

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自分の間合いで打席に立つ~WBC2戦連発の筒香嘉智に学ぶ

WBC侍ジャパンが好調だ。主軸の筒香嘉智は2戦連発。まさに大黒柱だ。

オーストラリア戦の解説、原辰徳が好調の筒香嘉智の印象を聞かれて「自分の間合いで打席に立っている」というようなことを言っていたう。そう、それなのだ。

野球選手じゃなくてもそれが大切。

とかく周りに振り回されがちな現代。思い通りにならないことは山ほどある。筒香嘉智だってマークされているから打ちたいコースの球なんて投げてもらえない。

じゃあ何で打てるのか。それは自分という軸がしっかりしているからだ。さすがにマークが厳しいとは言ってもストライクゾーンに投げない訳にはいかない。だから筒香嘉智はその数少ないチャンスをものにしているのだが、筒香嘉智は来た球に対して反応しているのではないと見た。あくまでも自分の間合いの中で待っているところに来た球にバットを出しているに違いない。

若手社員ほど頼まれ仕事が多くて自分のペースで仕事ができないことだろう。そつなくこなせばさらに仕事を振られる可能性すらある。

じゃあどうしたら自分のペースで過ごせるのか。

一つの手は「提案」だ。こういう仕事をしましょうと自分から持ち掛けてみる。

普通はその案さえよければ「やってみろ」となる。自分で提案したのだからモチベーションが違う。これが結構大切だ。

逆に頼まれ仕事だとどうだろう。決して難しくない仕事ではあるけれどバッターで言えば振らされ感が半端ない。頼まれ仕事は往々にして不意討ちだ。焦ってバットを出して凡打に倒れるのは容易に想像がつく。

本当はバッターボックス=ポストを自分で作っちゃうくらいの力があればよいのだが、そんな人はそうそういない。だからこそ、どうせ忙しいならせめて筒香嘉智のようにどっしりと構えて自分の間合いで思いっきりバットを振りたい。その方がたとえ空振りでも納得いくのだから。

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WBC松田宣浩の3ランが幻のホームランキャッチの観客と侍ジャパンを救う

WBCが開幕した。日本の初戦、試合に見入っていてきょうは記事を書く時間がなさそうと思ったらとんでもない出来事が! 山田哲人のホームランが取り消しになってしまった。

 

WBCは本当にいろんなことが起きる。第1回大会の犠牲フライ取り消しを思い出してしまった。山田哲人の打球は観客がグラブを出していなかったらそのままスタンドインしていたように見えたがいかがだろうか?

www.hochi.co.jp

ただし第1回の誤審と決定的に違うことがある。当事者が日本人という点だ。誤審を犯したのはアメリカの審判、デービッドソン(このほど引退)。日本中から恨まれたけれど痛くも痒くもない。しかし今回山田哲人の打球を捕ってしまった人(捕ること自体はすごいけれど)はすでにスタンドで針のむしろになっただろうし、SNSの普及著しい現在においては拡散必至だ。 

www.asahi.com

その後坂本勇人のタイムリーが出て、いまこれを書いている午後9時現在で侍ジャパンが2点リードしているから「まあ、まあ、いいじゃない」くらいで収まっているが仮にも逆転負けを喫してしまった場合、あの人の立場が危うくなってしまう。そうならないためにも侍ジャパンを応援せねばならない。

だから僕は、笑顔になれる

だから僕は、笑顔になれる

 

 

WBCは監督が抗議してはいけないのだろうか。小久保裕紀監督は出て行かなかった。あれが上田利治監督だったら1時間19分は抗議しているだろう。

知将 上田利治

知将 上田利治

 

 

このギャグを思いついた瞬間に松田宣浩がレフトにホームランを放って一気に6-1に。またまた「事件現場」のレフトに飛んで行ったので爆笑してしまった。最前列の観客の人は今後、スタンドインぎりぎりの打球を捕るのは我慢してください! まあそれも含めてプロ野球なのだろうけれど。ホームランボールを捕ってしまった観客さんには松田宣浩の1発に感謝してもらってソフトバンクファンになってもらおう。皆さんもこの方に対してはぜひ寛大な対応を…

松田宣浩メッセージBOOK-マッチアップ-

松田宣浩メッセージBOOK-マッチアップ-

 

 

上田利治監督の名前を出していたら事件当事者の一人、山田哲人がまたレフトポール際にきわどい大飛球を放った。上田監督だったら1時間19分は抗議しているに違いない。こんな話をしていたらまた後藤正治氏の「孤高の戦い人」読みたくなる。

人物ノンフィクション〈3〉孤高の戦い人―後藤正治ノンフィクション集 (岩波現代文庫)

人物ノンフィクション〈3〉孤高の戦い人―後藤正治ノンフィクション集 (岩波現代文庫)

 

 

そして黒柴スポーツ新聞編集局長は謝罪する。今回の侍ジャパン、過去最も打てないと思っておりました。ごめんなさい。こんなに打つとは思ってなかった。キューバは守備が堅かったのでそれがなければもっと大量得点だった。とりあえず期待の青木宣親が攻守に活躍しているのでそれはうれしい。青木宣親を先頭に侍ジャパンにはこのまま突っ走ってもらおう。

 

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