松井秀喜5連続敬遠に「忘れられる権利」はないのか~早実・清宮幸太郎の明徳義塾イメージは「松井さんのやつ」
明徳義塾高校の馬淵史郎監督はくじ運がいいのか悪いのか。第89回選抜高校野球でいきなり早稲田実業とぶち当たる。今大会屈指の視聴率男・清宮幸太郎と相まみえるのだ。強打者VS試合巧者。高校野球ファンならよだれものの対戦である。
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「明徳の印象は」と聞かれた清宮幸太郎は「松井さんのやつ」と言ったらしい。清宮も清宮だが、質問した人も質問した人だなあ。ダチョウ倶楽部の「押すな押すな」的呼び水にしか見えない。
一度のミスも許さない。日本は実は不寛容な社会。毎日どこかで謝罪が繰り広げられている。だが一度貼られたレッテルをはがすのは容易ではない。明徳義塾高校も全国制覇までしたチームなのに、いまだ1992年の松井秀喜5連続敬遠のダークなイメージのままだ。
ただし、いい人ぶるつもりもない。何を隠そう自分も1992年当時は松井秀喜の肩を持っていた。甲子園でプレーするために頑張ってきたのだから1回くらいバットを振らせてあげろよなあと。明徳義塾高校には申し訳ないけれど「やりすぎ」と思った。
だが25年も経つとものの見方も変わってくる。そして今は明徳義塾高校の作戦が「合理的」に思える。高校通算60ホームラン、打率4割を誇る強打者にバットを振らせたらかなりの確率で何かが起きるのだ。
あの日、かなりの人がアツくなりすぎて忘れていた。松井秀喜が甲子園でプレーするために頑張ってきたのと同じように、明徳義塾高校ナインもまた人生を賭けてプレーしていたことを。
久しぶりに映像を見ると覚えておかなければならないことをいくつか見つけた。
一つ目は松井秀喜の次打者、月岩信成が1点目をスクイズで入れたこと。世の中的には下のスポニチ記事のように、松井秀喜の次の月岩信成が打てなかったから星稜は敗れたと記憶されている。確かに無安打だったからそうなのかもしれない。しかし試合が3-2のロースコアだったことを考えればこの1点は決して小さいものではなかった。
もう一つは松井秀喜が9回、5度目の敬遠でなすすべなく1塁に向かったと思いきや2アウトなのに走って盗塁を決めたことだ。5連続敬遠が重すぎて盗塁していたことを知らなかった。そしてさすがだなと思った。松井秀喜はあの絶望的な状況の中でも自分でできることを探し、実行していたのだ。きっとこういう人が成長して力を付けていくのだろう。
最後に5打席連続敬遠の指揮官、馬淵史郎監督が当時まだ36歳だったこと。30代なんてまだまだ青年監督で通せそう。だがその若さで、老獪と評されても仕方ない作戦を実行していたのだ。正攻法だけじゃ勝てないとある種究極の戦法をその年齢でとっていたことにうならされた。
こんなことを書くとまだまだ「卑怯な野球を肯定するのか」と言われるかもしれない。だが松井秀喜を打席に迎えた状況を振り返ると明徳義塾高校がとった敬遠策はうなずける。え?ランナーなしでも敬遠しましたよね!とツッこむ人もいるだろう。確かにそうだ。が、松井秀喜なのだ。ランナーなしでも相手は松井秀喜。ホームランを打たれたら1点入る。繰り返すが試合は3-2で終わっている。もしも松井秀喜がホームランを打っていたら…
むしろ5連続敬遠してもなお接戦だった、というのが本当のところなのだ。
そんなの高校野球らしくないとも言われるだろう。だが高校野球らしさって何? 全力疾走、確かに小気味いい。だが夏なら炎天下に走ること自体負担大。「さわやかだねえ」と思う我々はクーラーの効いた部屋で高校野球中継を見ているのだから説得力ナシ。
調子に乗って提案するがそろそろ甲子園じゃなくて京セラドームで全国高校野球大会を開催してはどうか。きっとここでも「青空の下」が高校球児には似合うんだ!と言われるだろう。それはそうだ。だが環境省の熱中症予防情報サイトを見てみてほしい。暑さ指数(気温とはちょっと違います=詳しくはサイト参照)が28~31度は厳重警戒(激しい運動は中止)。暑さ指数31度以上になると運動は原則中止なのだ。
例外が大好きな日本的なことも書いてある。暑さ指数31度以上は「特別な場合以外は運動を中止する」なのだ。それみたことか、甲子園は特別なんだぞ!という人とはこれ以上やり合わない。実際に2015年には体調を崩した人がいるとだけ書いておく。
敬遠も高校野球らしくないというならルールを変えたらいい。これも100万回言われたことだが敬遠は進塁させたり走者を増やすリスク込みの戦法だ。実際月岩信成のスクイズも松井秀喜敬遠により舞台が整っての得点だ。明徳義塾高校も必死だったのだ。
だが表面的な高校野球らしさとやらに負けて明徳義塾高校はヒール役になってしまった。悲劇的なのはそれが25年も続いていることだ。
どうだろう。そろそろ松井秀喜5連続敬遠の評価を変えてみては。見方を変えれば雑草魂。与えられた環境でしたたかに生き抜く雑草。松井秀喜という稀有な強打者に対して、5連続敬遠は弱者の兵法だったのだ。大阪第3代表と揶揄されようが甲子園に出たもん勝ち。明徳義塾高校のひたむきさはほかの県代表と何ら変わらない。
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そして実は高知県内でも明徳義塾高校ファンはいる、ということも書いておこう。今回のセンバツは根強い人気がある「高校野球らしさ」満載の「二十四の瞳」中村高校とセットで出るため、高知県の高校野球ファンにはたまらないのだ。
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中村高校は前橋育英、明徳義塾高校は早稲田実業と、いずれも強敵との対戦。試合展開によってはまた明徳義塾が清宮幸太郎を敬遠するのか。そしたらまた松井秀喜5連続敬遠がクローズアップされる。そしたらまた月岩信成がクローズアップされ…もっとも月岩信成も人生を熟成させてきているようだからさらりと受け止めてくれるかもしれないが。
人は一度貼ったレッテルをなぜ簡単にはがそうとはしないのか。なぜそんなに他人を攻撃したがるのか。悲劇の当事者・月岩信成にまで攻撃が及んだことを知ってぞっとする。甲子園は何人もの球児の人生をファンが消費してきた壮絶な場所。だからやっぱり爽やかさだけでは語れない。
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WBCで好投続く千賀滉大が3軍でぐんぐん伸びた訳~背番号128からの下剋上
WBCで侍ジャパンがまた勝った。テレ朝難民のため15日のイスラエル戦を見られなかったが、結果を見る限り、思う。この試合のMVPは千賀滉大じゃないのかと。
打ち勝った印象が強いが千賀滉大の記事はスマートニュース内を回遊する限りいっぱい見つけられた。その中で面白かったのはこのスポニチ記事。
この恩師とは倉野信次コーチである。千賀滉大とは3軍コーチ時代に出会ったそうだ。この記事では「3軍があったから誕生した選手であり、偶然、最適の師もそこにいた」と書かれている。
詳しくは記事を読んでもらうことにして、千賀滉大は「軽自動車」だったが今はかっこいいスポーツカーになってきた。欠点を挙げればきりがなかっただろうけれどそこは3軍のいいところ。「長所を伸ばす」作戦が功を奏し球速がアップしたそうだ。
ついつい指導者は欠点を直す。千賀滉大も、もし制球面の指導ばかりされていたらここまでのストレートが投げられるようになったかどうか。
とにかく背番号が128だったのだ。それが菅野智之より、石川歩といったドラフト1位よりも、育成4位入団の千賀滉大の方が現時点は安定感がある。これが痛快。人は成長できるのだと実感させてくれる選手だ。
3軍なんて気が遠くなる。1軍と3軍の間には2軍があり、1軍でも試合に出られる人とそうでない人がいる。千賀滉大はそこから成りあがってきた。自分の力で。2016年には12勝と安定した成績。もうちょっとで最高勝率のタイトルにも手が届きそうだった。
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西スポの記事では千賀滉大が斉藤和巳に「蒲郡(千賀の故郷愛知県蒲郡市)から出てきて、ここで先発した時点でおまえの勝ちや!」と励まされたという。
そこに若干「蒲郡くんだり」というニュアンスも感じられるがまあ斉藤和巳が言わんとすることは伝わってくる。いわば雑草魂。雑草はたくましく育つ。そしてしたたかに生き残る。
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千賀滉大という「雑草」は3軍選手という身分上、いつ引っこ抜かれてもおかしくなかった。しかし倉野信次コーチらが手塩にかけて育てた結果ぐんぐん伸びた。師匠も驚くほどに。そして今、日本の野球ファンの心を躍らせ、次はメジャーリーガーを驚かすことになる、かもしれない。今の侍ジャパンの継投、投手起用は行き当たりばったり感満載だから千賀滉大がどこで登場しても不思議ではない。とにもかくにも、もう一度強打者をきりきり舞いさせるシーンが見たい。
主砲・筒香嘉智も打った後喜びをあえて見せない「能面侍」と言われているが千賀滉大もそんなイメージ。だが準決勝以上は一投一打に燃えることだろう。筒香嘉智といい千賀滉大といい、能面侍らしからぬ歓喜の表情がぜひ見たいものだ。
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侍ジャパン打線好調で2017年WBCの視聴率がよいらしい~スモールベースボールから脱皮するのか
WBCの視聴率がいいらしい。産経ニュースによると14日のキューバ戦(TBS系列)は関東地区の平均視聴率が27.4%だった。
12日のオランダ戦(テレビ朝日系列)は関東地区の平均視聴率が25.2%だったそうだから少し上がった。オランダ戦が延長を制した熱戦だっただけに呼び水になった感はある。
こちとらテレ朝難民だから見られないと分かった時の脱力感と言ったら何とも言いようがない。昔は居住地のせいにしていたがインフラが整った昨今、テレビ朝日難民はただの言い訳にすぎない。見たいものがあるなら投資せねばならない。いいコンテンツにはそれ相応の対価が払われるべきなのだ。
別に侍ジャパンにとって視聴率は直接関係ないが応援や盛り上がりのバロメーターではある。これを書いている2次ラウンドのイスラエル戦も6回に打者一巡の猛攻。一挙5点を奪い優勢にゲームを進めている。強いぞ侍ジャパン!
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そして昨日書いたが小林誠司がブレイク中。今夜もしぶとく打点を記録した。キューバ戦の勝負どころでは代打に内川聖一が器用されたがそこは役者が違っただけ。別に小林誠司がマイナス評価を食らった訳じゃない。
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キューバ戦でのタイムリー、見ましたか? あの弱々しいレフト前タイムリー。しかしそのレフトがデスパイネ。セカンドランナーを殺せそうな気配がない。ホームに突っ込ませた三塁コーチャーの大西コーチがしっかり状況判断できていたと解説の原辰徳が評価していたが、そこそこの野球好きなら勝負を懸けられそうな場面ではあった。まあ口で言うのは簡単。あの場面で迷いなく腕を振れるのがプロだ。
あれだけ打てないと酷評されていたのにホームランがそこそこ出るし、継投もフラフラしそうだったのがそこまで大崩れはしない。この辺りが素直に視聴率に反映されていると見た。
そう、やはり面白い試合をしたらファンは喜ぶのだ。これに尽きる。個人的には投手戦なり接戦が好きだが、みんなで盛り上がるにはそれなりに爆発してもらわねば。侍ジャパンが勝つなら守り勝つ野球とされていた面があるが、このまま打席が好調ならWBC閉幕の頃には打ち勝つ野球に衣替えしているかもしれない。そうなればますます視聴率が楽しみだ。
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なぜか今更読まれている記事はこちら。平野佳寿が投げた日に読まれているのだろうか…。
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イスラエル戦先発の千賀滉大の記事はこちら。
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WBCラッキーボーイ小林誠司はMVPになるのか~一皮剥ける時は一気に行こう
完全に一皮剥けた。WBCに出ている小林誠司。弱点と思われていた正捕手がストロングポイントになっている。
2次ラウンドのキューバ戦。中盤、ブルペンが映った。松井裕樹と平野佳寿が準備していた。贅沢な抑え。これらの球を順番に受けるのだ。侍ジャパンの正捕手の経験は何物にも代えがたい。6回裏、4ー5の劣勢ではあったが1アウト1、2塁からその小林誠司が打席に。ここで打ったら完全に波に乗ってるってことだなあと思ったが初球から積極的にバットを振り、弱々しいながらもレフト前に同点タイムリーを放った。
一塁上の小林誠司は凛々しい顔つき。このまま巨人の正捕手に定着してくれないかなあと思ってしまう。
基本的に打つ方は求められていなかったからこそ、小林誠司が打つと盛り上がる。だがぼちぼち小林誠司が打席に立つと期待が高まってきている。何戦目だったか岡田俊哉がテンパって崩れそうになった時、小林誠司が2ボールからタイムを取ってマウンドに行ったことが評価されている。そう、声かけはタイミングが重要。終わってからあの時こうしときゃよかったのにというのは誰でもできる。
討ち取った後放心状態の岡田俊哉の体を「やったじゃん!」とばかりに叩いているシーンがよかった。
おいおい、あんまり仲良くなりすぎるとペナントレースが戦いにくくなるぞ。そんな心配すらしてしまう。
ま、いいか。楽しそうだから。そう、プレッシャーもあるだろうし大変そうではあるけれど楽しそうなのがいい。
社会人的にもかくありたい。誰だって初めてのポジションは大変。緊張感もあるし。だけどハマるかもしれない。小林誠司みたいに期待値が低かったらうまくいくごとに評価はうなぎ上りだ。まだまだ世の中は減点主義がはびこっているからポイントは貯められる時に貯めておこう。
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さらに解説の原辰徳が「小林も成長したけど炭谷がマスク被ると落ち着くね」。
小林誠司の成長への道はまだまだこれから、のようである。
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踏まれても立ち上がらない~三浦大輔の番組で雑草魂を学ぶ
三浦大輔が出た「SWITCHインタビュー 達人達」を見た。雑草が専門の稲垣栄洋氏との対談だ。
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VTRではシロツメクサの生え方が人が通る所とそうでない所とでは違うと説明していた。見た感じ、踏まれやすい所のはベタッと貼り付いた感じ。そうでない所のはふんわりした感じだった。同じ種類なのに、だ。ここが重要。
踏まれても立ち上がらないのが雑草魂だと稲垣栄洋氏は言う。踏まれながら生きるのが雑草なのだ、と。
雑草は弱い。だからこそライバルがいない場所で生きるという。そして無駄なエネルギーは使わないで環境に順応していく。結構賢い。
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番組後半は三浦大輔が鍛えた宜野湾市立野球場周辺でのトーク。最初はここに来るのが嫌で嫌で仕方なかったという。三浦大輔でもそうだったんだな。
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2段モーション習得により頭角を表すも、ルール改正で修正を余儀なくされた。稲垣栄洋氏は三浦大輔の壁の乗り越え方を「壁の向こう側を見て道を探している」と評した。2段モーション禁止、それそのものとは戦わなかった。三浦大輔いわく内心何でだとは思ったそうだが「決まったことでどう戦っていくか」なのだという。
自分が変わるしかない、とも。
そう、そうなのだ。
置かれた環境で生きていかなければならないのであれば自分が変わるしかない。ただし。できうるならばせめてちょっとでも自分らしい変身にしたいものだ。しなやかに、したたかに。雑草から学ぶことがたくさんあった。
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安藤友香、乙女走りで名古屋ウィメンズマラソン2位、初マラソンで日本歴代4位タイム~合理的かどうかは本人にしか分からない
2017年3月12日、名古屋ウィメンズマラソンが開かれた。これを書き始めた時点(27キロ過ぎ)でキルワと安藤友香(スズキ浜松AC)が激しいつばぜり合いを繰り広げていた。
安藤友香は腕を下げて、あまり振らずに走る。フォームについてはすでに話題になっていた。2016年4月の兵庫リレーカーニバルに出た安藤友香についてのデイリースポーツの記事では「乙女走り」と書かれていた。
昔のサザエさんのエンディング最終盤で一家が一軒家に向かうシーンのような上半身固定フォームだ。一般的には腕をリズミカルに振る。それが理に適っていると思うのだが何をやるにも結局どんなやり方が合理的かどうかなんて本人にしか分からない。
上のデイリー記事には野口みずきの豪快な腕振り、イチローの振り子打法、野茂英雄のトルネード投法を例に出し「己を貫いた末に実績をつくった」と書いてあった。そう、自己流は貫かないと攻撃の対象になる。特に日本は異質なものを認めないから自己流の人が失敗した場合それ見たことかと徹底的にたたく。イチローも野茂英雄も実際のところは批判の対象になりかけたが力でねじ伏せただけのだ。
あの大谷翔平でさえそう。二刀流は今でこそもてはやされているが特にプロ野球OB(しかもレジェンド級)はそろって否定的だった。
例えば野村克也。下のアサヒ芸能記事では「プロ野球ですよ。アマチュアじゃないんだから。そりゃ無理ですよ。ピッチャーだけでも大変なのに、バッターも両方なんて、とんでもない。それほどプロ野球は甘くない」と酷評している。
ただしノムさんがエライのはちゃんと謝罪したことだ。黒柴スポーツ新聞は別にノムさんを断罪するつもりもない。確かに大谷翔平は規格外でおそらく本人と栗山英樹監督以外誰もここまでの成功はイメージできなかっただろうから。
一流選手でさえこのくらいのリスクがあるのだから一般人なんてさらにハイリスク。自己流を貫いた挙句批判の対象になる可能性はものすごく高い。オレ流ならある程度とんがるか、逆に絶対に周りに迷惑をかけない覚悟が求められる。
話を名古屋ウィメンズに戻す。
「すごい新人が現れました!」。39キロあたりで実況の森脇淳アナウンサーも興奮を隠せない様子だった。「人生を変える一歩になると思います」と解説の高橋尚子。安藤友香は初マラソンで、いきなり2時間21分台が射程圏内になっていた。キルワはスパートが成功し優勝が濃厚。中継は安藤友香のタイムに関心が移っていた。
そして2時間21分36秒でゴール。安藤友香はなんと日本歴代4位の記録をたたき出してしまった。上には野口みずき、渋井陽子、高橋尚子しかいない。2時間22分30秒の派遣標準タイムを切ってロンドンでの世界選手権代表に内定した。
結果が出たので当分は容認されそうな乙女走り。安藤友香は目標が東京五輪での金メダルだそうだからこのまま文字通り突っ走ってほしい。
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自分の間合いで打席に立つ~WBC2戦連発の筒香嘉智に学ぶ
WBCで侍ジャパンが好調だ。主軸の筒香嘉智は2戦連発。まさに大黒柱だ。
オーストラリア戦の解説、原辰徳が好調の筒香嘉智の印象を聞かれて「自分の間合いで打席に立っている」というようなことを言っていたう。そう、それなのだ。
野球選手じゃなくてもそれが大切。
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とかく周りに振り回されがちな現代。思い通りにならないことは山ほどある。筒香嘉智だってマークされているから打ちたいコースの球なんて投げてもらえない。
じゃあ何で打てるのか。それは自分という軸がしっかりしているからだ。さすがにマークが厳しいとは言ってもストライクゾーンに投げない訳にはいかない。だから筒香嘉智はその数少ないチャンスをものにしているのだが、筒香嘉智は来た球に対して反応しているのではないと見た。あくまでも自分の間合いの中で待っているところに来た球にバットを出しているに違いない。
若手社員ほど頼まれ仕事が多くて自分のペースで仕事ができないことだろう。そつなくこなせばさらに仕事を振られる可能性すらある。
じゃあどうしたら自分のペースで過ごせるのか。
一つの手は「提案」だ。こういう仕事をしましょうと自分から持ち掛けてみる。
普通はその案さえよければ「やってみろ」となる。自分で提案したのだからモチベーションが違う。これが結構大切だ。
逆に頼まれ仕事だとどうだろう。決して難しくない仕事ではあるけれどバッターで言えば振らされ感が半端ない。頼まれ仕事は往々にして不意討ちだ。焦ってバットを出して凡打に倒れるのは容易に想像がつく。
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本当はバッターボックス=ポストを自分で作っちゃうくらいの力があればよいのだが、そんな人はそうそういない。だからこそ、どうせ忙しいならせめて筒香嘉智のようにどっしりと構えて自分の間合いで思いっきりバットを振りたい。その方がたとえ空振りでも納得いくのだから。
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WBC松田宣浩の3ランが幻のホームランキャッチの観客と侍ジャパンを救う
WBCが開幕した。日本の初戦、試合に見入っていてきょうは記事を書く時間がなさそうと思ったらとんでもない出来事が! 山田哲人のホームランが取り消しになってしまった。
WBCは本当にいろんなことが起きる。第1回大会の犠牲フライ取り消しを思い出してしまった。山田哲人の打球は観客がグラブを出していなかったらそのままスタンドインしていたように見えたがいかがだろうか?
ただし第1回の誤審と決定的に違うことがある。当事者が日本人という点だ。誤審を犯したのはアメリカの審判、デービッドソン(このほど引退)。日本中から恨まれたけれど痛くも痒くもない。しかし今回山田哲人の打球を捕ってしまった人(捕ること自体はすごいけれど)はすでにスタンドで針のむしろになっただろうし、SNSの普及著しい現在においては拡散必至だ。
その後坂本勇人のタイムリーが出て、いまこれを書いている午後9時現在で侍ジャパンが2点リードしているから「まあ、まあ、いいじゃない」くらいで収まっているが仮にも逆転負けを喫してしまった場合、あの人の立場が危うくなってしまう。そうならないためにも侍ジャパンを応援せねばならない。
WBCは監督が抗議してはいけないのだろうか。小久保裕紀監督は出て行かなかった。あれが上田利治監督だったら1時間19分は抗議しているだろう。
このギャグを思いついた瞬間に松田宣浩がレフトにホームランを放って一気に6-1に。またまた「事件現場」のレフトに飛んで行ったので爆笑してしまった。最前列の観客の人は今後、スタンドインぎりぎりの打球を捕るのは我慢してください! まあそれも含めてプロ野球なのだろうけれど。ホームランボールを捕ってしまった観客さんには松田宣浩の1発に感謝してもらってソフトバンクファンになってもらおう。皆さんもこの方に対してはぜひ寛大な対応を…
上田利治監督の名前を出していたら事件当事者の一人、山田哲人がまたレフトポール際にきわどい大飛球を放った。上田監督だったら1時間19分は抗議しているに違いない。こんな話をしていたらまた後藤正治氏の「孤高の戦い人」読みたくなる。
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そして黒柴スポーツ新聞編集局長は謝罪する。今回の侍ジャパン、過去最も打てないと思っておりました。ごめんなさい。こんなに打つとは思ってなかった。キューバは守備が堅かったのでそれがなければもっと大量得点だった。とりあえず期待の青木宣親が攻守に活躍しているのでそれはうれしい。青木宣親を先頭に侍ジャパンにはこのまま突っ走ってもらおう。
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WBCで青木宣親はいかにリーダーシップをとるのか~連勝よりも大事な試合で勝つことが重要
購読している新聞に青木宣親のインタビュー記事が出ていた。開幕を控えたWBC特集だ。侍ジャパンの中で黒柴スポーツ新聞編集局長が最も注目している選手が青木宣親なのだ。
侍ジャパンに合流する唯一のメジャーリーガーであるから、という理由ではない。イチローほどではないにせよ、一人で戦ってきたイメージがある青木宣親が今回の侍ジャパン最年長となってどんな立ち居振る舞いをするのか、に興味があるのだ。
青木宣親は宮崎県出身で早稲田大OB。2年目の2005年にシーズン202安打を放って大ブレークし首位打者に輝いた。1年目がわずか3安打なのだから大化けもいいところだ。
当然のごとく次代のスワローズを背負って立つ男という位置づけになり、チームのスターの証拠である背番号1も受け継いだ。ヤクルトが上手に背番号1を使って選手をブランド化していることは以下の記事で触れた。
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青木宣親から背番号1を引き継いだ山田哲人も順調にスター街道を歩んでいるが侍ジャパンではまだまだ主軸になりえていない。そして日本中が感じているように今回のWBCに参戦する侍ジャパンは過去最も打てないチームのようだ。上げ潮ムードが感じられない今こそ、最年長の青木宣親がどうチームをまとめるかに興味が尽きない。
で、インタビュー記事で青木宣親が何と言っていたか。
印象に残ったことを三つ書きだしてみた。
1【ずっと連勝していて大事な試合で負けるより、大事な試合で勝つことが重要】
まさに長嶋茂雄監督とは対照的な考えだ。もちろんシーズンを通しての戦いとリーグ戦を経てトーナメントで戦う大会の違いはある。だがミスターはすべて勝ちに行く。それが長嶋茂雄の流儀なのだが世の中的には青木宣親的な思考の方が間違いはない。思えば初代王者に輝いた第1回WBCでも犠牲フライで勝ち越したはずが誤審になってサヨナラ負けを喫したり、韓国には1次リーグも2次リーグも負けたりと「全勝優勝」ではなかった。ここぞという時に打ったり抑えたりして優勝したのだ。青木宣親は別に手抜きをしろと言っているわけではなくここぞという時に力を出すことが大事だと言っている。
2【今までの自分を見て(代表に)選んでくれているのだから、今まで通りの自分を出した方がいい】
サラリーマン的にも意識しておきたい言葉だ。例えば社内の改革チームに選ばれたとしよう。その時真面目な人や頑張り屋の人ほど、ちょっとでも結果を残そうとしてしまいがちだ。でもそんなことをする必要はない。その人が期待されているからこそメンバーに入ったわけですでに能力なり人柄なりが評価されているのだ。それをそのまま出せばきっと成果につながる。侍ジャパンでも中継ぎが期待されている人は中継ぎで、先発で試合をつくることが期待されている人はそれに沿う投球をすればいいのだ。青木宣親は、たとえビッグゲームであろうとしびれる試合を経験してきた選手ならジャパンの試合でもぶれずにプレーできるはずだと言っている。
3【野球に限らず、スポーツはやってみなければ分からない】
そう、まさにそうなのだ。そして人生も同じ。もちろん生まれながらにして恵まれている人とそうでない人がいるので最初からすべて平等とは言わない。だが最終的に誰が幸せになるかは分からないものだ。過去のWBCではさまざまな名場面が生まれた。上記の誤審もそうだし、福留孝介の起死回生のホームラン、川崎宗則の「神の手」ホームイン、イチローがイム・チャンヨンから放った勝ち越しタイムリーなどなど紙一重の勝負の多かったこと。対戦相手がアメリカだとかドミニカだとかキューバだとかと、名前で勝負してはいけない。やってみなければ分からないのだ。 練習試合を見る限り侍ジャパンは不安いっぱいだが心配は取り越し苦労だったなと思わせるくらいの試合展開で早くファンを安心させてほしいものだ。青木宣親のリーダーシップに期待しておこう。
青木宣親の関連記事はこちら。侍ジャパンでの活躍次第では2000安打達成時の盛り上がりが違ってくることだろう。
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球団職員になりたいと思ったことはありませんか?~読売巨人軍が2018年度新入職員募集
野球好きなら一度や二度、思ったことがあるだろう。「あーあ、球団職員になれないかな」。黒柴スポーツ新聞編集局長もそのクチだ。だが実際になれる人はそんなに多くはない。募集自体頻繁には見ない。が、久々に見つけた。
ジャイアンツである。2017年3月1日から応募スタート。期間は4月12日までで郵送分は4月14日必着だ。夢を追いたい人はぜひチャレンジを。
野球が好きな人イコール野球が見たい人だろう。だから実は球団職員になると試合なんか見ていられないのかもしれない。見る人が楽しめる場づくりが本業になるだろうから。ある意味アイドルが好きでコンサートの警備員になったものの実際はお客さんの方を向いているからアイドルが見られない的なポジションというイメージを持っているのだが本当のところはどうなんだろうか。
DeNAも職員を募集していた記憶があった。探してみたら2017年度新卒採用は締め切られていた(まあ時期的に当たり前だが)。2018年度についての募集は見当たらなかった。
そう、このようにある年度に募集したとしても次の年にやるとは限らない。だから本当に行きたい人はチャンスを逃してはいけないのだ。
それぞれのサイトを見ていただければ分かるがただ野球が好きというだけでは仕事をこなせなそうな雰囲気。グラウンドから遠い所の仕事もいっぱいありそうだ。
一方で野球なりそのチームが好きだからこそできる職務もあるだろう。黒柴スポーツ新聞編集局長は巨人とソフトバンクを応援しているが今、もしどこでも球団職員になれるよと言われたらDeNAに興味津々。横浜という街と一体化する形でブランドが着々と作られているイメージだからだ。
その一つが座席の「横浜ブルー」化。すでに色が付いている部分もあるが横浜ブルーの割合を増やすという。
2016年の日本シリーズが分かりやすいが日本ハムの選手もビビるほどマツダスタジアムは赤く染まった。威嚇である。甲子園はハンパないホーム感が有名だがカープファンも負けてはいない。甲子園ですらだいぶ赤い割合が増えた気がする。
DeNAは2016年初めてCSにも出場したし筒香嘉智や今永昇太ら楽しみな選手がいる。いろんな意味で今流れが来ている。きっと新しいことにチャレンジしようという「気」に満ちているのだ。だから今選ぶならDeNAなのだ。
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きっと上記の座席の横浜ブルー化も球団職員がアイデアを形にしたものだろう。何やかんやでチームの側面支援、そして裏方としてのサポートが球団職員の仕事。やりがいという賃金以外の報酬は、まさにやった人にしか分からない手ごたえ。黒柴スポーツ新聞編集局長はそういう「やりがい」を感じられそうだなという意味で球団職員という仕事をいいな、素敵だなと思っている。
なお、球団職員は、球団運営とはそんなにスマートなもんじゃないよと言われそうなことも承知している。こんな本もあったからだ。坂井保之著「波瀾興亡の球譜ー失われたライオンズ史を求めて」。
西鉄ライオンズから太平洋クラブになるあたりを書いているから余計に大変そうに見える点はある。たぶんこの本を読んで球団職員になりたい人は少ない。お金の工面とか球場がある自治体との折衝とか、いかにも大変そうなのだ。プロ野球が「興行」であることがよく分かる。
こんな本もある。足木敏郎著「ドラゴンズ裏方人生57年」。
元選手であり、トレーナー、広報、マネージャー、通訳などいろいろと経験された足木敏郎氏。球団内部にいたからこその情報量。57年というキャリアには脱帽するばかりだ。作新学院のエースから中日の投手になった加藤斌についても、亡くなった交通事故などを振り返っている。球団職員はこういうつらい瞬間にも立ち会わなければならない。
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リーグ優勝や日本一を成し遂げたチームだけに許される胴上げ。以前よりは裏方さんが混じる率は高まったとはいえ本当の裏方さんはそこにいない。2017年シーズンはどのチームが優勝するか分からないが優勝した瞬間はそのチームの球団職員さんの気持ちをちょっと想像してみたい。
キプサング優勝!東京マラソンで出た2時間3分台がもたらしたものとは
東京マラソンで2時間3分台が出た。国内マラソンで初。キプサング(ケニア)が2時間3分58秒で優勝した。高速設定のペースメーカーや平坦なコースなど世界記録更新へ好条件が揃ったが本人いわく風の影響もあったようで新記録はならなかった。
日本人トップは井上大仁が2時間8分22秒で8位。初マラソンの設楽悠太は38キロあたりまで日本人トップの快走を見せ日本最高記録も狙えたが力尽きて11位だった。だが初マラソンで高速レースに挑んだ姿勢は立派。レース後本人も「勝負にいった」と話していた。終盤、経験のないきつさを感じたそうだがまだまだ伸びしろがありそうだ。
コースはアップダウンも少ないし手厚いペースメーカーに囲まれて走るキプサングに違和感もあったがキプサングはこれまでに3回も2時間3分台を記録していると知った。地力があるのだ。そういう人にはこういう手厚いサポート態勢はアリだと思う。なので世界新を応援したのだが惜しくもならなかった。
それでも日本国内のレースで初の2時間3分台。これが高速レースだと日本のマラソンファンに知らしめたことは大きい。TOKYOで2時間3分台が出た、ということは世界的に話題になると解説の高橋尚子も話していた。東京マラソンにとっても大きな出来事だった。
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かつてオリンピックや世界陸上でメダルを取った日本マラソン界は高速化する世界の流れに置いてけぼりをくらっているように見える。だから今回もキプサング仕様のペースメーカー登場は日本選手に関係ないなと見ていた。だが結果的に設楽悠太の果敢な好走を引き出したし、それを終盤逆転した井上大仁の2時間8分台前半の好タイムにもつながった。
2017年8月には世界選手権が控えており日本代表選考もあるのだが今回の東京マラソンでは自動的に内定が出る2時間6分台が出なかったため日本人トップの井上大仁、日本人2位の山本浩之、3位の設楽悠太は「候補」となった。
山本浩之のタイムは2時間9分10秒。これは先に行われた福岡国際3位の川内優輝の2時間9分11秒とわずか1秒差。川内優輝は優勝したツェガエに迫ったり元世界記録保持者のマカウと勝負ができていたためタイムには見えない印象も残っている。今回の東京マラソンで日本勢が頑張ったことで今後の代表選考が混戦になった。川内優輝の反応がとても楽しみだ。
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そして東京マラソンにとっても箔が付いた。巨大な市民マラソン的な要素に加え世界屈指の高速レースが楽しめることが証明されたのだ。これまでの記録は2014年ディクソン・チュンバの2時間5分42秒。コースが変わったとはいえ、それが一気に2時間3分58秒になったのだ。来年以降さらにハイレベルのランナーが集うことも見込める。
それによって日本選手のレベルが上がればなおよい。市民ランナーだって自分が出た大会が世界最高峰のレースであれば鼻が高いに決まっている(黒柴スポーツ新聞編集局長はランナーではないが)。
最初はキプサングがえこひいきされているように見えてしまったがキプサングはとても向上心がありいつも「出るからには自己新狙い」という人だと中継でも紹介されていた。やるからには自己ベスト。素晴らしい。そういう気持ちが好結果の原動力だ。書くからには自己ベスト。黒柴スポーツ新聞編集局長もどれだけ面白い記事が書けるか、毎回チャレンジしてみよう。
マラソン関連の記事はこちら。
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元阪急スペンサーは「投げずに敬遠」を半世紀前に成立させようとしていた
敬遠の意思を示せば投げずに成立する。そんなルールが2017年シーズンから米大リーグで導入される。
敬遠も野球の一部なんだからそれでいいのかなとか、ドラマが失われるというのが大方の野球ファンの受け止めではなかろうか。
ドラマとはサヨナラ暴投の小林繁とか、暴投をサヨナラヒットにしたクロマティーや新庄剛志、サヨナラホームランにした柏原純一のことを指す。新庄剛志と柏原純一が師弟関係であることまで含めてドラマと見る向きもある。
プロ野球選手とは言え人間がすることに「絶対」はない。だからこそ「投げずに敬遠」がルールになるとドラマが生まれにくくなるのは正論だ。そのあたりは2016年5月に書いておいた。
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なのであえて話をスペンサーに飛ばす。宇佐美徹也氏のプロ野球記録大鑑によればスペンサーは今から約50年も前にこの「投げずに敬遠」を成立させそうになったことがあった。1966年9月7日の南海戦。最終回1死2、3塁でバッターはスペンサー。しかしバッテリーが敬遠のそぶりを見せたためバットを捨てて1塁へ向かった。だが球審に連れ戻された。結果はどうなったかと言えば敬遠。スペンサーがどうしたかというと「だから始めから…」と言わんばかりに球審を見ながら1塁に向かったという。
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スペンサーは2017年1月2日に亡くなってしまった。もし日本でも「投げずに敬遠」が導入されたら今度もまた「ほらね」と言ったかどうか。
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敬遠がらみでもう一つ。敬遠が多かったスペンサーはそれを逆手に取った作戦を西本幸雄監督に進言している。ネタ元は文春文庫ビジュアル版「暴れん坊列伝 プロ野球乱闘史」。1死2塁でたびたび敬遠されたスペンサー。状況は1死1、2塁になる。そこであえてゲッツーになりそうなゴロを打つ作戦だ。聞いた西本幸雄監督は「こいつ、どこかおかしくなったと違うか」なんて思ったそうだが逆。実現したシーンを見てみよう。
ランナー1、2塁でバッターは石井晶。打球はショートに向かい、小池兼司からセカンドのブレイザーに転送。しかしそこへスペンサーがものすごいスライディング。ブレイザーが転倒した間にセカンドランナーのウィンディがホームインしたのだった。
ただしこの作戦ももう使えない。日本のプロ野球でもいわゆるゲッツー崩しの悪意あるスライディングは「摘発」されることになった。スペンサーの闘魂あふれる作戦も古き良き時代の伝説になろうとしている。
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人間万事塞翁が馬の意味とは?~侍ジャパン権藤博コーチがWBC辞退の大谷翔平に掛けた言葉
誰だって失敗しようとして失敗するわけじゃない。不可抗力という言葉もある。だがついつい責任を追及しがち。その相手に対しての期待感があればなおさらだ。大谷翔平がWBC参加を見送ったところ、侍ジャパンの権藤博コーチに「人間万事塞翁が馬だ」と言われてほっとしたという。
分かっているようで分かっていない「塞翁が馬」の意味。ことわざ辞典を引いてみた。
【塞翁が馬】
人生では何が幸せになるか、また何が不幸になるかわからない。
幸不幸のたびに喜んだり悲しんだりすることはないということ。
(高橋書店 ポケット版「ことわざ新辞典」より)
大谷翔平でもないくせに胸に突き刺さった。黒柴スポーツ新聞編集局長は目の前のことに一喜一憂する自覚ありあり。覆水盆に返らずと分かっているのにうらめしく過去の失敗を見続ける悪癖があるのだ。
それにしても権藤博コーチはだてに年を取っていない。深い。若いコーチや監督ならば大黒柱の大谷翔平がWBCに出ないと分かっても諦めきれないのではないか。でも権藤博コーチは違った。「人間万事塞翁が馬だ」。そう声を掛けられた大谷翔平は「すごく温かい言葉を掛けてもらったと思っています」と語っていた。
「人間万事塞翁が馬だ」。この言葉を送れるのにはかつて「権藤権藤雨権藤」という言葉まで産んだ、自身が酷使された体験がいくらか影響しているようにも思える。
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まあ権藤博の場合は新人の年、69試合登板、44試合先発、投球回数429、35勝19敗だから誰がどう見ても酷使でしかない。昨日の黒柴スポーツ新聞で伊藤智仁を取り上げ、彼は酷使を酷使とは思っていないと書いたがやはり限度はある。
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侍ジャパンの首脳陣は小久保裕紀監督を筆頭に若い。みんな40代ではなかろうか。そこに70代の権藤博が入っているのがすごいのだが今回の大谷翔平への声掛けを見るだけでも権藤博の存在価値は確かにある。残念ながら権藤博みたいに声が掛けられない上司は世の中にはたくさんいる。「何やってんだ」と激しく追及してもミスは取り返せないのに。そもそも大谷翔平の故障はミスと言えるものではない。ファン目線でもついつい「大谷何やってんだよ、見たかったのになあ」と思ってしまうが一番悔しいのは大谷翔平本人なのだからそれを言ってはいけないし言う必要がない。
人間万事塞翁が馬の由来となったストーリーでは、翁の馬が異国に逃げる→異国の駿馬を連れ帰る→翁の息子が乗るも落馬し負傷→その間に異国との戦争が勃発→息子は徴兵を免れる→親子で生き残る、という流れ。大谷翔平はWBCに出たかっただろうが投打のキープレーヤーが抜けたことで他の選手が頑張り結束が固まるのかもしれない。
追加招集になった武田翔太についても同じ。国際大会での登板や日本代表として戦った経験が生きてホークスのエースの座につくかもしれない。
われわれ野球ファンもWBCが終わるまでは変な意味で一喜一憂はせず「人間万事塞翁が馬」の気持ちで侍ジャパンを応援しよう。
そして…。
黒柴スポーツ新聞編集局長自身も「人間万事塞翁が馬の気持ち」を大切にする。
「行けるところまで、“とりあえず”とことん行こう!」
きょう更新されたニッポン手仕事図鑑編集局長さん(id:igooke)のブログ「自分の仕事は、自分でつくる」に書いてあった言葉だ。どうやらこれは私に向けられた言葉らしい。
はてなブログを通じて知り合い、やり取りがあり、対面し、再会。エネルギーの交換を経てついに「戦友」に昇格した模様だ。ブログはただ文章をつづるだけじゃない。大げさではなく人生を変えうるツールだ。だからこそ多くの人に薦めたい。特に私のように自身の伸び悩みを感じている人にはなおさら。言うは易し、行うは難し。ではあるけれど、私が掛けてもらった言葉のように「行けるところまで、“とりあえず”とことん行こう!」ではありませんか。まずは動くことが大事。それを実感する日々です。
【きょうの1枚】権藤博
通算成績:試合210 勝利82 敗北60 完投67 投球回1136
タイトル:沢村賞1回 新人王 最優秀防御率1回 最多勝2回 最多奪三振1回 ベストナイン1回
大谷翔平関連の記事はこちら。
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虎は死して皮をとどめ伊藤智仁は被弾して名を残す~1993年松井秀喜を差し置いて新人王に輝いた男
閃光という意味では確かにこの人、伊藤智仁。代名詞である高速スライダーは今映像を見てもえげつない。きょう、久々に伊藤智仁の記事を見つけた。
伊藤智仁については黒柴スポーツ新聞でも記事を書いたことがある。
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NEWSポストセブンの記事でも書いてあったが、伊藤智仁は自分が酷使されたとは思っていない。本当は思っているのかもしれないが納得している。先発12試合中150球が4試合、延長12回で193球なんてこともあったそうだ。
伊藤智仁は全然気にしていない。そもそも自分のフィジカルの問題。大事に使われたとしてもいずれそうなったかもしれないみたいなことまで言っている。
それは当時から思っていたのか、衝撃のデビューを果たした1993年から14年を経てまろやかな面持ちになっただけなのか。
今更ながら、伊藤智仁があの松井秀喜を抑えて新人王になったことに気付いた。そして松井秀喜のその後の活躍をもってしてもなお、伊藤智仁の新人王が妥当だと思える。
それくらい伊藤智仁の登場は衝撃的だった。
細く長くか、太く短くか。太く長く行ける人もいるかもしれないが。
伊藤智仁は太く短くの筆頭格。黒柴スポーツ新聞編集局長的には初先発ノーヒットノーラン男の近藤真一も大好きだけれど。
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編集局長もたくさんの方を取材させていただいた。だからこそ思う。人生には咲き時というものがあるんだなあ、と。苦労の末に咲く花もあるし、何回も咲く花もある。
咲くかどうかは別として編集局長にも本業で踏ん張り時がやってきている。伊藤智仁は16奪三振しながら篠塚和典にホームランを打たれてサヨナラ負けを喫した試合で名を成した。虎は死して皮をとどめ、人は死して名を残す。伊藤智仁はホームランを打たれはしたものの名を残した。そして今も球界にとどまり、ヤクルトでコーチをやっている。
負けはしたが伊藤智仁の咲き時は間違いなくあの日あの瞬間だった。
その瞬間を自覚するためにはまず目の前のことに一生懸命取り組むのが一番。2017年、今年が咲き時だったなと振り返られるよう、新年度も一緒に頑張りましょう。
きょうの1枚は伊藤智仁。必殺技を持っている人ってカッコいい。
巨人の橙魂2017でオレンジのつばキャップ登場~巨人の野球帽は赤いつばの時代もあった!
2017年、巨人が「橙魂2017」と銘打ったファンサービスを行う(5月3、10、27日、6月2、17日、7月10、29日)。選手がオレンジ色ユニホームを着るだけでなく、つばと頭頂部がオレンジ色のキャップもかぶる。
巨人のカラーと言えばオレンジなのだから今更何だという話。だがつばがオレンジというのは初めて見た(前にもあったのかもしれませんが)。オリオールズみたいだ。販売もするという。税込14580円なり。
つばがフラットブリムという。平つば、とでも訳すのだろうか?(詳しい方、ぜひ教えてください)売り出し中の筒香嘉智みたいにフラットなつばのようだ。ヒップホップかぶりができますね。
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つばが印象的な色と言えば、2017年4月28日からの大阪クラシックでソフトバンクホークスが南海の1980年版ユニホームを復刻させるに当たりつばが朱色のキャップをかぶる。これが先日書いた記事。
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リアルタイムで1980年ホークスを応援していたという方はその少年時代、このユニホームを「スイカ」と呼んでいたそうだ。史上最高の新人とも言われる木田勇にこてんぱんにやられたとも教えてくれた。ユニホームは成績がつくる。最下位に沈んだ時のユニホームだからあまりいい印象がないかもしれない。ぜひ今年はこのユニホームが起爆剤となって日本一を奪還してほしい。
知っている人は知っているが、巨人は昔、帽子のつばを赤くしたことがある。
詳しい年代までは突き止められなかったが1960年のユニホームではつばが赤かった。ご存じの方はぜひコメントお願い致します。
巨人がユニホームに赤を取り入れたのはカラーテレビ対応と何かで読んだことがある。
もしかしたらいろんなものがカラー対応という時代だったのかもしれない。だがすでに伝統が築かれてきたジャイアンツ。カラー対応だからと簡単に赤が導入できたかどうか。キミ、そんなことやめておきたまえ、という声も容易に想像できる。
だが新しいものを取り入れようという考えは好意的に映った。伝統にあぐらをかいたらそこで成長は終わる。老舗企業は気付かれないところでマイナーチェンジをしている。老舗イコール古いと決めつけてはいけない。もっとも過去の成功体験にしがみつく、化石のような考えの経営者は世間にいっぱいいるのだろうが。巨人も優勝を重ねてきたからそこまで突飛なことをする必要はなかったのかもしれない。
巨人の赤込みのユニホームの評価はどうだったか知らない。だがもし黒柴スポーツ新聞編集局長が、普及したてのカラーテレビで旧態依然とした古風なユニホームを見せられたら萎える。このチームやる気あるの?って思いそう…。誰の発案かは知らないがこの赤導入の一件はチャレンジ精神が感じられる、好きなエピソードだ。
今回のオレンジのつばも誰かが企画して誰かが通したキャンペーンだ。ウケたら一番いいが今までにやっていないことにチャレンジすることこそ意味がある。ジャイアンツ、だてに毎年集客してねえぞ、と思ったことだった。
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