元阪急スペンサーは「投げずに敬遠」を半世紀前に成立させようとしていた
敬遠の意思を示せば投げずに成立する。そんなルールが2017年シーズンから米大リーグで導入される。
敬遠も野球の一部なんだからそれでいいのかなとか、ドラマが失われるというのが大方の野球ファンの受け止めではなかろうか。
ドラマとはサヨナラ暴投の小林繁とか、暴投をサヨナラヒットにしたクロマティーや新庄剛志、サヨナラホームランにした柏原純一のことを指す。新庄剛志と柏原純一が師弟関係であることまで含めてドラマと見る向きもある。
プロ野球選手とは言え人間がすることに「絶対」はない。だからこそ「投げずに敬遠」がルールになるとドラマが生まれにくくなるのは正論だ。そのあたりは2016年5月に書いておいた。
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なのであえて話をスペンサーに飛ばす。宇佐美徹也氏のプロ野球記録大鑑によればスペンサーは今から約50年も前にこの「投げずに敬遠」を成立させそうになったことがあった。1966年9月7日の南海戦。最終回1死2、3塁でバッターはスペンサー。しかしバッテリーが敬遠のそぶりを見せたためバットを捨てて1塁へ向かった。だが球審に連れ戻された。結果はどうなったかと言えば敬遠。スペンサーがどうしたかというと「だから始めから…」と言わんばかりに球審を見ながら1塁に向かったという。
阪急オリックス80年史―1936ー2016 (B・B MOOK 1315) (B.B.MOOK)
- 作者: 週刊ベースボール編集部
- 出版社/メーカー: ベースボール・マガジン社
- 発売日: 2016/10/31
- メディア: ムック
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スペンサーは2017年1月2日に亡くなってしまった。もし日本でも「投げずに敬遠」が導入されたら今度もまた「ほらね」と言ったかどうか。
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敬遠がらみでもう一つ。敬遠が多かったスペンサーはそれを逆手に取った作戦を西本幸雄監督に進言している。ネタ元は文春文庫ビジュアル版「暴れん坊列伝 プロ野球乱闘史」。1死2塁でたびたび敬遠されたスペンサー。状況は1死1、2塁になる。そこであえてゲッツーになりそうなゴロを打つ作戦だ。聞いた西本幸雄監督は「こいつ、どこかおかしくなったと違うか」なんて思ったそうだが逆。実現したシーンを見てみよう。
ランナー1、2塁でバッターは石井晶。打球はショートに向かい、小池兼司からセカンドのブレイザーに転送。しかしそこへスペンサーがものすごいスライディング。ブレイザーが転倒した間にセカンドランナーのウィンディがホームインしたのだった。
ただしこの作戦ももう使えない。日本のプロ野球でもいわゆるゲッツー崩しの悪意あるスライディングは「摘発」されることになった。スペンサーの闘魂あふれる作戦も古き良き時代の伝説になろうとしている。
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人間万事塞翁が馬の意味とは?~侍ジャパン権藤博コーチがWBC辞退の大谷翔平に掛けた言葉
誰だって失敗しようとして失敗するわけじゃない。不可抗力という言葉もある。だがついつい責任を追及しがち。その相手に対しての期待感があればなおさらだ。大谷翔平がWBC参加を見送ったところ、侍ジャパンの権藤博コーチに「人間万事塞翁が馬だ」と言われてほっとしたという。
分かっているようで分かっていない「塞翁が馬」の意味。ことわざ辞典を引いてみた。
【塞翁が馬】
人生では何が幸せになるか、また何が不幸になるかわからない。
幸不幸のたびに喜んだり悲しんだりすることはないということ。
(高橋書店 ポケット版「ことわざ新辞典」より)
大谷翔平でもないくせに胸に突き刺さった。黒柴スポーツ新聞編集局長は目の前のことに一喜一憂する自覚ありあり。覆水盆に返らずと分かっているのにうらめしく過去の失敗を見続ける悪癖があるのだ。
それにしても権藤博コーチはだてに年を取っていない。深い。若いコーチや監督ならば大黒柱の大谷翔平がWBCに出ないと分かっても諦めきれないのではないか。でも権藤博コーチは違った。「人間万事塞翁が馬だ」。そう声を掛けられた大谷翔平は「すごく温かい言葉を掛けてもらったと思っています」と語っていた。
「人間万事塞翁が馬だ」。この言葉を送れるのにはかつて「権藤権藤雨権藤」という言葉まで産んだ、自身が酷使された体験がいくらか影響しているようにも思える。
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まあ権藤博の場合は新人の年、69試合登板、44試合先発、投球回数429、35勝19敗だから誰がどう見ても酷使でしかない。昨日の黒柴スポーツ新聞で伊藤智仁を取り上げ、彼は酷使を酷使とは思っていないと書いたがやはり限度はある。
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侍ジャパンの首脳陣は小久保裕紀監督を筆頭に若い。みんな40代ではなかろうか。そこに70代の権藤博が入っているのがすごいのだが今回の大谷翔平への声掛けを見るだけでも権藤博の存在価値は確かにある。残念ながら権藤博みたいに声が掛けられない上司は世の中にはたくさんいる。「何やってんだ」と激しく追及してもミスは取り返せないのに。そもそも大谷翔平の故障はミスと言えるものではない。ファン目線でもついつい「大谷何やってんだよ、見たかったのになあ」と思ってしまうが一番悔しいのは大谷翔平本人なのだからそれを言ってはいけないし言う必要がない。
人間万事塞翁が馬の由来となったストーリーでは、翁の馬が異国に逃げる→異国の駿馬を連れ帰る→翁の息子が乗るも落馬し負傷→その間に異国との戦争が勃発→息子は徴兵を免れる→親子で生き残る、という流れ。大谷翔平はWBCに出たかっただろうが投打のキープレーヤーが抜けたことで他の選手が頑張り結束が固まるのかもしれない。
追加招集になった武田翔太についても同じ。国際大会での登板や日本代表として戦った経験が生きてホークスのエースの座につくかもしれない。
われわれ野球ファンもWBCが終わるまでは変な意味で一喜一憂はせず「人間万事塞翁が馬」の気持ちで侍ジャパンを応援しよう。
そして…。
黒柴スポーツ新聞編集局長自身も「人間万事塞翁が馬の気持ち」を大切にする。
「行けるところまで、“とりあえず”とことん行こう!」
きょう更新されたニッポン手仕事図鑑編集局長さん(id:igooke)のブログ「自分の仕事は、自分でつくる」に書いてあった言葉だ。どうやらこれは私に向けられた言葉らしい。
はてなブログを通じて知り合い、やり取りがあり、対面し、再会。エネルギーの交換を経てついに「戦友」に昇格した模様だ。ブログはただ文章をつづるだけじゃない。大げさではなく人生を変えうるツールだ。だからこそ多くの人に薦めたい。特に私のように自身の伸び悩みを感じている人にはなおさら。言うは易し、行うは難し。ではあるけれど、私が掛けてもらった言葉のように「行けるところまで、“とりあえず”とことん行こう!」ではありませんか。まずは動くことが大事。それを実感する日々です。
【きょうの1枚】権藤博
通算成績:試合210 勝利82 敗北60 完投67 投球回1136
タイトル:沢村賞1回 新人王 最優秀防御率1回 最多勝2回 最多奪三振1回 ベストナイン1回
大谷翔平関連の記事はこちら。
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虎は死して皮をとどめ伊藤智仁は被弾して名を残す~1993年松井秀喜を差し置いて新人王に輝いた男
閃光という意味では確かにこの人、伊藤智仁。代名詞である高速スライダーは今映像を見てもえげつない。きょう、久々に伊藤智仁の記事を見つけた。
伊藤智仁については黒柴スポーツ新聞でも記事を書いたことがある。
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NEWSポストセブンの記事でも書いてあったが、伊藤智仁は自分が酷使されたとは思っていない。本当は思っているのかもしれないが納得している。先発12試合中150球が4試合、延長12回で193球なんてこともあったそうだ。
伊藤智仁は全然気にしていない。そもそも自分のフィジカルの問題。大事に使われたとしてもいずれそうなったかもしれないみたいなことまで言っている。
それは当時から思っていたのか、衝撃のデビューを果たした1993年から14年を経てまろやかな面持ちになっただけなのか。
今更ながら、伊藤智仁があの松井秀喜を抑えて新人王になったことに気付いた。そして松井秀喜のその後の活躍をもってしてもなお、伊藤智仁の新人王が妥当だと思える。
それくらい伊藤智仁の登場は衝撃的だった。
細く長くか、太く短くか。太く長く行ける人もいるかもしれないが。
伊藤智仁は太く短くの筆頭格。黒柴スポーツ新聞編集局長的には初先発ノーヒットノーラン男の近藤真一も大好きだけれど。
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編集局長もたくさんの方を取材させていただいた。だからこそ思う。人生には咲き時というものがあるんだなあ、と。苦労の末に咲く花もあるし、何回も咲く花もある。
咲くかどうかは別として編集局長にも本業で踏ん張り時がやってきている。伊藤智仁は16奪三振しながら篠塚和典にホームランを打たれてサヨナラ負けを喫した試合で名を成した。虎は死して皮をとどめ、人は死して名を残す。伊藤智仁はホームランを打たれはしたものの名を残した。そして今も球界にとどまり、ヤクルトでコーチをやっている。
負けはしたが伊藤智仁の咲き時は間違いなくあの日あの瞬間だった。
その瞬間を自覚するためにはまず目の前のことに一生懸命取り組むのが一番。2017年、今年が咲き時だったなと振り返られるよう、新年度も一緒に頑張りましょう。
きょうの1枚は伊藤智仁。必殺技を持っている人ってカッコいい。
巨人の橙魂2017でオレンジのつばキャップ登場~巨人の野球帽は赤いつばの時代もあった!
2017年、巨人が「橙魂2017」と銘打ったファンサービスを行う(5月3、10、27日、6月2、17日、7月10、29日)。選手がオレンジ色ユニホームを着るだけでなく、つばと頭頂部がオレンジ色のキャップもかぶる。
巨人のカラーと言えばオレンジなのだから今更何だという話。だがつばがオレンジというのは初めて見た(前にもあったのかもしれませんが)。オリオールズみたいだ。販売もするという。税込14580円なり。
つばがフラットブリムという。平つば、とでも訳すのだろうか?(詳しい方、ぜひ教えてください)売り出し中の筒香嘉智みたいにフラットなつばのようだ。ヒップホップかぶりができますね。
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つばが印象的な色と言えば、2017年4月28日からの大阪クラシックでソフトバンクホークスが南海の1980年版ユニホームを復刻させるに当たりつばが朱色のキャップをかぶる。これが先日書いた記事。
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リアルタイムで1980年ホークスを応援していたという方はその少年時代、このユニホームを「スイカ」と呼んでいたそうだ。史上最高の新人とも言われる木田勇にこてんぱんにやられたとも教えてくれた。ユニホームは成績がつくる。最下位に沈んだ時のユニホームだからあまりいい印象がないかもしれない。ぜひ今年はこのユニホームが起爆剤となって日本一を奪還してほしい。
知っている人は知っているが、巨人は昔、帽子のつばを赤くしたことがある。
詳しい年代までは突き止められなかったが1960年のユニホームではつばが赤かった。ご存じの方はぜひコメントお願い致します。
巨人がユニホームに赤を取り入れたのはカラーテレビ対応と何かで読んだことがある。
もしかしたらいろんなものがカラー対応という時代だったのかもしれない。だがすでに伝統が築かれてきたジャイアンツ。カラー対応だからと簡単に赤が導入できたかどうか。キミ、そんなことやめておきたまえ、という声も容易に想像できる。
だが新しいものを取り入れようという考えは好意的に映った。伝統にあぐらをかいたらそこで成長は終わる。老舗企業は気付かれないところでマイナーチェンジをしている。老舗イコール古いと決めつけてはいけない。もっとも過去の成功体験にしがみつく、化石のような考えの経営者は世間にいっぱいいるのだろうが。巨人も優勝を重ねてきたからそこまで突飛なことをする必要はなかったのかもしれない。
巨人の赤込みのユニホームの評価はどうだったか知らない。だがもし黒柴スポーツ新聞編集局長が、普及したてのカラーテレビで旧態依然とした古風なユニホームを見せられたら萎える。このチームやる気あるの?って思いそう…。誰の発案かは知らないがこの赤導入の一件はチャレンジ精神が感じられる、好きなエピソードだ。
今回のオレンジのつばも誰かが企画して誰かが通したキャンペーンだ。ウケたら一番いいが今までにやっていないことにチャレンジすることこそ意味がある。ジャイアンツ、だてに毎年集客してねえぞ、と思ったことだった。
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プラネットアース映像でヘビの群れに追われるイグアナと自分を思わず重ねた話
プラネットアースをNHKで見た。イグアナがヘビの群れを間一髪かいくぐるやつ。ネットで「プラネットアース イグアナ」で検索すると2016年11月の記事で話題になっていた。そう、それ(興味があればぜひ見てください)。
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その島のイグアナはふ化した瞬間から生きるか死ぬかの瀬戸際だ。砂から出たら一目散に高い所に向かわねばならない。辺り一帯にヘビがうようよしているのだ。
ヘビはヘビで、千載一遇のチャンスを逃してなるかとばかりにイグアナが現れるのを岩かげから狙っている。イグアナを食べることは生きることなのだ。
次々に捕食されるイグアナ。カメラも一体どうやって撮ったのかと思うくらいその瞬間瞬間をとらえている。最後の助けを求めるかのようにイグアナの手足がバタついてやがて力を失う様はリアルすぎる。
ヘビは気配でイグアナの動きを察知するようで、細かい砂利の上でじっとしていればヘビをやり過ごすこともできる。だがヘビとの距離は確実に詰められるのでハイリスクな作戦だ。1匹のヘビをやり過ごしている間に別のヘビが背後から迫ったりもする。
映像のクライマックスで1匹のイグアナが登場。逃げたかと思えばヘビにとらえられ万事休す。と思いきやヘビを振りほどいて再び全力疾走。岩によじ登ってやった~と思う間もなくヘビが口を開きながらジャンプしてイグアナの体をかすめていく。心臓の弱い人にはまったくおすすめできない。「生き延びられるかは運次第だ」なんてナレーションが流れたりもする。
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いつしかイグアナと自分を重ねていた。ヘビは何なのかと言えば「時間」。誰もが年を取り若さを失っていく。いつまでも若いつもりだが時間という名のヘビは確実に背後に迫り、生きることをあきらめた人生という名のイグアナを呑みこんでいく。
呑みこまれないためにはあのイグアナのように必死のパッチで逃げまくるしかない。右に行くか、左に行くか。どの岩に飛び乗るか。どの突起に手をかけて上に登るか。進学か就職か、中退か卒業か、仕事を受けるか、コンペに参戦するか、転職するか定年まで勤めるか、フリーランスで働くか、自分で事業を興すか。人生は選択肢の連続で、コースやタイミングを誤れば即、死。 というとちょっと言いすぎか。
目の前の課題という名のヘビにばれないようじっとしている手もある。が、時間という名のヘビは背後から確実に迫ってくる。その場にとどまり続けることも死につながる。
結局、走り続けるしかないんだ。
それはサラリーマンでもアスリートでも一緒。努力を怠れば退化が始まる。イグアナたちは一瞬でも気を抜けばその島で生きていけない。死なないだけ、人間はまだマシだ。
イグアナの映像を見て感じた本当の恐怖は、何もしていない間にどんどん人生が消化されていることに気付いたことだった。
さて…。
KDDIがネット技術を生かしてトイレの空き状況が分かる新サービスを発表した。待ち時間の無駄を省くようなことが書いてあるが実はトイレでさぼっている人のあぶり出しではないかと勘ぐってしまった。一定時間こもっていると管理者に通知されるのだ。
イグアナは一瞬でも気を抜けば死が待っているというのに人間は何とおおらかだったんだ。だがこのサービスが普及すれば今度は管理人という名のヘビに見つかってしまう。それでも命まで失うことはないのだけれど。
もちろん黒柴スポーツ新聞編集局長はトイレコモリストでもないし、簡単にヘビに食われるつもりもない。今できることをやり続けて結果、高い所に行くつもりだ。生きる、死ぬ、なんて書いてきてしまったが高い所に行けば見晴らしがいいのは事実だ。見たことない景色を見るのは楽しい。新しいことにもどんどんチャレンジしていこう。
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【おすそわけ】
読者の皆さま、黒柴スポーツ新聞に遊びに来ていただき本当にありがとうございます。良質のアウトプットには良質のインプットが必要。そんな意味で先日上京してきました。その時に東京ドーム敷地内にある戦没野球人の鎮魂の碑を見てきました。そこで感じたことを以下のブログにつづりました。はてなブログでご縁ができたニッポン手仕事図鑑編集長さんの主宰するニッポン手仕事図鑑内のブログです。ぜひご覧ください。なになに、ふたりごと文庫ではなんかいつもと違う上品な文体じゃんか!とつっこまれそうですが媒体によっての「書き分け」とスルーしてください…そしてぜひ鎮魂の碑、足を運んでくださいね。
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2017年限りのイ・スンヨプ有終の美を飾れるか~李大浩との韓国球界そろい踏みにも注目
イ・スンヨプ。懐かしい名前をネットで見つけた。フルカウントの記事で、韓国紙・東亜日報がイ・スンヨプの2017年今季限りでの引退を報じたという。
失礼ながら、まだ現役だったんだというのが正直なところだ。イ・スンヨプは1976年生まれ、今年41歳だという。日本ではロッテ、巨人、オリックスに在籍。計8シーズンで686安打、159本という成績を残している。
これは韓国球界での活躍からしたら物足りない成績だ。韓国通算14シーズンで2024安打、443本塁打。日韓通算で実に602本塁打なのだが案外知られていない。イ・スンヨプほどの打者でも日本の野球に対応できなかったということだろう。一応、KBOのイ・スンヨプ成績を貼り付けておく。え?韓国語なんて読めない? そこは野球好きなら雰囲気でクリアできる。HRはホームランとか記号はアルファベットだし。まあ話のタネに見てください。
【韓国球界での主なタイトル】
イスンヨプと言えばシーズン56本塁打を2003年に記録。王貞治の55号を抜きアジア新記録になったがご存じの通りバレンティンの60号に抜かれて現在の扱いでは韓国記録になっている。シーズン本塁打記事についての関連記事はこちら。
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アメリカ人は王貞治の記録に関して思うところがあるかもしれないし、日本人はイ・スンヨプの記録に関して思うところがあっただろう。だが同じ野球でも球場の違いはあるしボールも違うし歴史も違う。それを踏まえた上で、それぞれの記録を「いいね!」としておけばよいと思う。
一応イ・スンヨプを評価しておきたいのは1999年にも54本塁打を記録していること。量産できる力は素晴らしい。先日高梨沙羅の記事でも書いたがイ・スンヨプにも再現力があるということだ。
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話は東亜日報に戻る。元記事が読めなかったものの、中身はイ・スンヨプと李大浩の本格的なそろい踏みが2017年、最後になるというものだったらしい。一応おことわりだがイスンヨプのヨプに当たる字「燁」が難しくあまりネット向きではないため彼についてはカタカナ表記をお許しいただきたい。イ・スンヨプと李大浩の取り合わせは、ホームランバッターではないが、日本で言えばイチローと大谷翔平がようやく相まみえるみたいなイメージか。李大浩の活躍はイ・スンヨプが日本に渡ってから。李大浩も日本で活躍したがイ・スンヨプは入れ替わるように韓国球界に復帰していた。
東亜日報で見つけたが李大浩の年俸をイ・スンヨプがばっちり当てたという記事がある。やはり韓国球界ネタとなれば韓国メディアに勝てない。黒柴スポーツ新聞編集局長でもここまで追ったことはないけど見てたら面白そう。イチローについての記事も見つけたがちょっとピリ辛に書いてある。WBCでもいろいろあったから韓国メディアとイチローの相性って良くなさそうだ。
イ・スンヨプと李大浩。新旧のレジェンドがたった1シーズンではあるが同じ土俵で戦う。ファンにはたまらないだろう。特にイ・スンヨプは泣いても笑っても最後のシーズン。果たして韓国球界のレジェンドが自らどう幕を引くのか。ちょっと心に留めておこう。
きょうは野球カードを2枚紹介。まずはイ・スンヨプのホームランカードから50号のもの。
おまけで日本のロッテ時代のもの。背番号36は三星ライオンズ時代と同じ。どアップですね。
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37年ぶり南海ホークス縦じまユニフォーム復刻~いま似合うソフトバンク選手は誰?4月28日からの関西クラシック3連戦は必見
縦じまと言えば阪神タイガースのイメージ。だが南海ホークスも1980年に採用していた。それが2017年4月28日からのソフトバンク対オリックス戦3連戦(京セラドーム大阪)で復活するという。日刊スポーツ記事の併用写真が縦じまの香川伸行だったので目が釘付けになった。
南海ー近鉄を限定復活させる、いわゆる大阪クラシック(2013~15年シーズンに実施)を再びやろうというもの。中断の理由は把握してないが南海、近鉄ファンにはたまらない企画。ぜひ今後も続けてほしい。その4月28日からの3連戦ではオリックスも近鉄のユニフォームを準備中という。日刊スポーツ記事では大阪クラシックとあるが球団ホームページでは「KANSAI CLASSIC 2017」となっていた。
詳しく知らなかったが80年の縦じまユニフォームは1年だけだったという。気になって1980年のホークス成績を調べてみた。
【1980年度南海ホークス成績】
48勝77敗5引き分け…6位
ガーン。6位である。
だが悲観することはない。2016年度日本一に輝いた日本ハムもそのシーズン、1974年に初めて「Fighters」を採用したユニフォームを復刻したが74年度と言えば最下位に沈んだ年だったのだ。
【1974年度日本ハムファイターズ成績】
49勝75敗6引き分け…6位
だからホークスだって同じことがあるかもしれない。下のファイターズユニフォーム関連記事で「これは縁起が悪い」なんて書いたら逆に逆転優勝してしまったのだった(ここは素直に謝ろう。ファイターズファンの方、すみませんでした!)。
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ちなみにそれぞれの年度の監督は誰だったでしょう?
1980年度ホークスは広瀬叔功。
1974年度ファイターズは中西太。
レジェンドが監督になっても成績を残せるとは限らない、ということだろう。
さて、1980年度ホークスユニフォームは帽子にも注目を。つばが朱色であります。これがアクセントとして効いている。写真は藤原満。黒柴スポーツ新聞所蔵の野球カードコレクションでも辛うじて見つけられた1枚だ。ベースボールマガジン社のホークス70年記念セット。野球カードはこういう資料的価値もある。
緑色と朱色の取り合わせ、パンチが効いている。後のダイエーホークスを思わせる。
藤原満の写真でも分かるが縦じまは緑だったんだな。なかなかのレトロ感だ。これをもし田中正義とか武田翔太、千賀滉大、さらには松坂大輔あたりが着ようものなら鼻血が出そうである。
BBM2015ヒスコレ/思い出のユニフォーム【087香川伸行/南海】レギュラーカード≪ヒストリックコレクション/ベースボールカード≫
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香川伸行は規格外で愛嬌があったが、縦じまだから細めとか小柄の選手の方が似合いそう。黒柴スポーツ新聞編集局長的には本多雄一、明石健志、川島慶三あたりをマークしたい。中村晃も見たい。なお藤原満の写真の通りアンダーストッキングも緑色で復刻されるならストッキングが見えるオールドスタイルで履いてもらいたい! 緑率をちょっとでも上げてもらいたい。
小柄ではないが柳田悠岐もかっこよさそう。ってこのペースで名前を挙げていたらキリがない。なんだかんだで大抵の選手が似合いそうだから。あなたなら誰の縦じまユニフォームを見たいですか?
ホークスが好きなあなたへのおすすめはこちら。
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デキる人に共通する再現力の高さ~高梨沙羅W杯ジャンプ最多タイ53勝の節目に
高梨沙羅がW杯で53回目の優勝を果たした。男女を通じて歴代最多タイ、とはいうが果たして本人がどれほどの意義付けをしているのか。どうもマスコミがワアワア言い過ぎな気がしてならない。性差をとやかく言うわけではないがやはり体力もレベルも違う訳だし、ここは素直に女子で最多、と言ってよいと思う。
だが今回のネタはその是非ではない。高梨沙羅の大記録を報じる新聞記事に面白い言葉を見つけた。
「同じ事を何回でもできる。再現力がずばぬけて高い」
牧野講平トレーナーの高梨評だ。「再現力」。聞き慣れない言葉だが興味を持った。
そしてストンと落ちた。これだ、デキる人に共通する力は。
同じことに10回挑戦して半分成功したらまあまあ。それ以下なら心もとない。7、8回出来たら自信を持っていいがプロとは言えない。プロは10回とも成功する。
ジャンプ競技では踏み切りとか空中姿勢とか着地とか、ポイントはいくつかある。記事が言葉足らずで牧野トレーナーの「同じ事」が具体的に何なのか分からないが、ここぞというタイミングでの踏み切りやよい姿勢、ぶれない着地といった一連の動作が何度もできるということだろう。これが再現力。
周りを見回してみてほしい。おいしい料理を作れる人は何度も人を幸せにできる。字が上手な人は常に美しい字を書けるし、写真がうまい人は決定的瞬間を逃さない。笑いを提供できる人はいつも人をニコニコさせている。何度でも同じことができるのは本当に実力があるということだ。
それを支えているのは実は地道な鍛錬だったりする。野球選手だったら素振りとか打ちこみ、投げ込み、走り込みなどの基本練習もいとわない。単調なトレーニングを黙々とやれる。これもある意味再現力と言っていい。
じゃあ自分はどうかなと胸に手を当ててみる。黒柴スポーツ新聞についても、面白い切り口は見いだせたか。表現は。文字数は。ネタの鮮度は。更新のタイミングは。タイトルの言葉の選択は…。地力を付けて楽しんでもらえる記事をたくさん届けたい。再現力はまだまだ身につけなければ。楽しみながらも、地道に鍛錬していこう。
以前書いた高梨沙羅の記事はこちら。ぜひご覧ください。
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読者の皆さま、黒柴スポーツ新聞に遊びに来ていただき本当にありがとうございます。良質のアウトプットには良質のインプットが必要。そんな意味で先日上京してきました。その時に東京ドーム敷地内にある戦没野球人の鎮魂の碑を見てきました。そこで感じたことを以下のブログにつづりました。はてなブログでご縁ができたニッポン手仕事図鑑編集長さんの主宰するニッポン手仕事図鑑内のブログです。ぜひご覧ください。なになに、ふたりごと文庫ではなんかいつもと違う上品な文体じゃんか!とつっこまれそうですが媒体によっての「書き分け」とスルーしてください…そしてぜひ鎮魂の碑、足を運んでくださいね。この告知、1週間限定でさせていただきます。
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101ホールドの久保裕也と101暴投の新垣渚、「楽天合格・引退」の明暗はなぜ分かれたのか
巨人、DeNAでプレーした久保裕也が楽天のテストに合格した。現役続行を目指したもう一人の有名なプレーヤー、新垣渚は声が掛からずに引退。くしくも共に2002年ドラフト自由枠でのプロ入りだった。両者の違いは何なのだろうか考えてみた。
久保裕也と言えば先発も抑えも中継ぎも経験した。実働12シーズンで47勝35敗、101ホールド。変化球も多彩と記憶している。
一方の新垣渚。64勝64敗と勝ち星では久保裕也を上回っている。久保裕也は101ホールドだが新垣渚は101暴投(村田兆治、石井一久に次いで歴代3位)。これは両者の特徴を如実に物語っている。上半身をフル活用して、おりゃーっと投げるのが新垣渚の魅力なのだ。暴投については以下の記事をご覧ください。
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NPBも暴投だけでランキングしてくれている。さすがだ。
久保裕也は先発も抑えも中継ぎも出来た。一方、新垣渚はあくまでも先発の男。通算セーブ0、ホールド0と気持ちがいいくらいだ。
別に新垣渚をこきおろすつもりもない。若いうちは力があり、勢いがあって先発をやり、衰えや経験を加味しながら軟投派になって抑えや中継ぎに回るのはプロではよくある話。逆に0セーブ0ホールドなんて、初志貫徹でかっこいいくらいだ。
だが結果的に、新垣渚の現役続行の模索はイコール先発枠争いなわけだからハードルがものすごく高かった。最後はソフトバンクではなくヤクルト、というのもひとえにヤクルトの投手陣が手薄だったからにほかならない。そのままソフトバンク在籍だったらもっと引退は早まっただろう。
対して久保裕也は先発、抑え、中継ぎとさまざまなポジションを経験したことが評価対象になった。
星野仙一・楽天副会長「あいつの経験とかをアドバイスしてもらいたい。ジャイアンツで抑えをしたこともある。適材適所。期待しています」
梨田昌孝監督「経験も豊富で力になってもらえる。テクニック、うまさを持っている。若い選手の手本になってもらいたい」(ともに上記日刊スポーツ記事より引用)
そう、うまさ。これが久保裕也と新垣渚の違いに思えてならない。
トライアウトの受験はおおまかに2通り。若者でこれまでチャンスを生かせなかった人が夢をつかむか。実績を残した人がもう一度第一線に戻るか。久保裕也、新垣渚はもちろん後者。トライアウトを受けたか確認用に検索したら日刊スポーツのまとめを見つけた。カット写真で久保裕也も新垣渚も出てくる。2人ともそういう選手なのだ。
どの職場でも唯一最大の武器でどこまでも行ける人はほんの一握り。でなければあれもこれも出来る人になるしかない。あれもこれも出来る人になればいろんな仕事ができる。実はシンプルな話だ。いろんな仕事ができそうだから久保裕也は楽天に受かった。若手へのアドバイスも含めて、だ。ちょうど巨人から小山雄輝という投手がトレードで楽天入りしている。個人的には巨人で先発の一角として頑張ってもらいたかったが巨人で埋もれるくらいなら楽天でバリバリやるほうがいい。だから小山雄輝には積極的に久保裕也にアドバイスをもらってほしい。
じゃあ新垣渚も中継ぎができればよかったのにな、という話でもない。新垣渚が下手に中継ぎなんてやっていたらそれは新垣渚ではない。2015年に3勝10敗という成績が残っているが、むしろカッコいい。最終の2016年が1勝2敗で、トライアウトも受けたけど先発のまま選手を終わる。これで新垣渚はよかったのだ。新垣渚のままだったから、古巣のソフトバンク職員になれたとさえ思う。野球教室などをする野球振興部所属だそうだから余計「新垣渚」のイメージのままでよかったのだ。
久保裕也も現役生活はそこまで長くなかろう。だが崖っぷちに踏みとどまったことは人間の幅を広げただろうし、3球団を渡り歩いたことでコーチ業ができる可能性が広がったとも言える。まずは1日でも長くユニフォームを着てもらいたい。
【おすそわけ】
読者の皆さま、黒柴スポーツ新聞に遊びに来ていただき本当にありがとうございます。良質のアウトプットには良質のインプットが必要。そんな意味で先日上京してきました。その時に東京ドーム敷地内にある戦没野球人の鎮魂の碑を見てきました。そこで感じたことを以下のブログにつづりました。はてなブログでご縁ができたニッポン手仕事図鑑編集長さんの主宰するニッポン手仕事図鑑内のブログです。ぜひご覧ください。なになに、ふたりごと文庫ではなんかいつもと違う上品な文体じゃんか!とつっこまれそうですが媒体によっての「書き分け」とスルーしてください…そしてぜひ鎮魂の碑、足を運んでくださいね。この告知、1週間限定でさせていただきます。
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中尾孝義とその周辺の懐かしい選手たち~中尾孝義氏、専大北上高監督に就任
中尾孝義。懐かしい名前に反応してしまった。専大北上高校の監督に就任するという。
専大北上に何か関係あるのかと思ったら中尾孝義は専修大学OBだった。ウィキペディアで見ただけだが山沖之彦ともバッテリーを組んだという。
中尾孝義といえば、太め、鈍足でも致し方ないとされるキャッチャー像を変えた男とも言われている。確かに太っていない。1年目から100試合に出場。当時中日には木俣達彦がいたわけだがある意味ミスタードラゴンズの木俣達彦を押しのけて正捕手的な活躍をしたわけだから素晴らしい。
YouTubeで中尾孝義を検索したら1982年9月28日に中日が江川卓を攻略した、という懐かし映像が出てきた。打たれた江川卓がタイトルになるくらいだからやっぱり江川卓ってすごかったんだなと実感。この映像、中日ファンでなくとも興奮してしまう。
【9回裏、中日4点のビハインド】
豊田誠佑:ヒット
モッカ:ヒット
谷沢健一:ヒットでノーアウト満塁
大島康徳:犠牲フライで1点
ここで本日の主役、中尾孝義が登場。
実況アナ「バッターボックスは中尾。足が上がった。第、4球を投げたライトへ、ヒットだ! ワンバウンド、ツーバウンド! 3塁ランナーホームイン! セカンドランナーもホームへ向かう! いまボールはバックホーム! ドーテーン! 同点です! 江川唖然。同点! 中日9回は奇跡の同点です。6対6の同点です」
中尾孝義は塁上でガッツポーズ。かっちょえ~。この時代の中日のユニフォーム好きだから余計にカッコよく見える。
なおこの試合は延長でなお中日打線が江川卓を追い詰め、救援した角三男から大島康徳がサヨナラヒット。大島康徳といえばこのほどガンを公表した。第三者が軽々しく言ってはいけないが体をいたわってほしい。
木俣達彦を追い落とした(と書いたらきついがプロ野球はそういう世界)中尾孝義も中村武志の台頭でその座を失う。そして西本聖とのトレードで巨人へ。それぞれピークを過ぎた感もあったが正捕手だった男、エース級だった男同士のトレードは驚いた。が、西本聖は男の意地で20勝。中尾孝義も巨人の1989年度日本一に貢献したのだから結果的にはよいトレードだった。
在籍3球団での日本シリーズ出場はウィキペディアによれば7人(若生智男、永尾泰憲、大宮龍男、中尾孝義、阿波野秀幸、工藤公康、中嶋聡)だそうだ。
そろそろまとめねばならないが、特にオチはない。ただただ中尾孝義を軸に懐かしい野球選手を登場させてみた。たまにはこういうパターンもいい。黒柴スポーツ新聞は暇つぶし程度ででも楽しんでもらえばいいのだ。編集局長はうじきつよしを見ては中尾孝義を思い出していた。きょうはこれが書けただけで密かに満足している。
練習でできないことは本番でもできない~今永昇太は三浦大輔最終登板のブルペンを見て開眼
サンデースポーツに筒香嘉智と今永昇太が出ていた。三浦大輔を交えてのインタビューだ。筒香嘉智はまだ25歳。伸び盛りであり、けがとかFA流出でもない限り当分DeNAは4番に誰を据えようか悩まずに済む。組織の柱が安定しているのは素晴らしい。筒香嘉智には帽子のヒップホップかぶりをする初の三冠王を目指してもらいたい。
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今回の主人公は筒香嘉智ではなく今永昇太。黒柴スポーツ新聞が密かに目を付けているピッチャーだ。2年目、まだ23歳。末恐ろしいとは思っていたがなかなかに意識が高い、とサンデースポーツを見て思わされた。
今永昇太がブルペンで投げている映像が流れた。そこに三浦大輔がコメントをかぶせた。
「より強く意識を持っている」
どのピッチャーもランナーを想定した上でキャッチャーに向かって投げることはあるが、今永昇太はちょっとずつ首の振り方を変えていたという。三浦大輔は遠目に見て、まるでランナーがいるかのようだったと振り返った。
これについて今永は「ブルペンでできないことは試合でできない」と解説した。
準備段階とか、練習の段階でできないことは本番でもできない。もちろんまぐれでできちゃうことはあるので絶対ではないが、確かにそうである可能性は高い。そういう前提で事に臨むのは大切だ。
今永昇太はさらに、「試合ではランナーが出る方が多い」とまで言っていた。そう、相手のあることだからこちらがいかに準備をしていようがアクシデントは起きるものだ。起きてからあたふたするよりも「そもそも起きる可能性が高い」と思っている方がリカバリーできる可能性も高まる。
ブルペンで投げている時、具体的な選手までは思い描かないそうだが、脚の速さとか、リードの大小くらいはイメージしているそうだ。アクシデントや諸条件のイメージが細かくできればできるほど対応能力は上がる。
三浦大輔がすかさず解説した。ブルペンでいい球を投げていようと、いざバッターが目の前に立ったりランナーが出たりするとその球を投げるのは難しい。「いかにブルペンの時から試合を想定して投げるか」なのだそうだ。これは社会人としても意識しておきたい言葉だ。
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実は今永のこの思考、三浦大輔の最終登板におけるブルペンの様子を見たことが影響していた。一人一人バッターの名前を挙げたりカウントを設定していたという。それを見た今永昇太はいかに自分のブルペンの中身が薄いか痛感したと話していた。三浦大輔は引退する時素晴らしい置き土産を残していたのだった。身近なところによいお手本がいるのは何と幸せなことか。
あまりたくさんシミュレーションしすぎてガチガチになるのは意味ないが基本うまくいかないことが多い、恵まれない状況の前提でも力が出せるように鍛える。そうすれば本番でもうまくいく可能性が高まる。至極当たり前のことだけれど、そうできるかどうかは本人の意識次第なのだ。
今永昇太はプロ1年目8勝だったがこの調子でいけば目標どおり2ケタは堅いんじゃないか。不動の4番に意識の高い若手左腕。DeNA、ちょっと注目して見てみよう。
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もしも箱根駅伝が「全国開放」になったら~青山学院大・原晋監督の持論に絡めて
箱根駅伝の「全国化」は不可欠。またまた原晋監督(青山学院大)の持論にうならされた。箱根には箱根の伝統がある、と最初は違和感を覚えたのだが。
箱根駅伝は関東学生陸上競技連盟(関東学連)の主催。だから関東の大学オンリーでやる。ほかに全日本大学駅伝なんて大会もあるからほかの地方の大学はそちらで頑張ればいいのでは?と思った。
だがこの産経新聞記事を読んで気付いた。箱根駅伝はランナーにとっての「甲子園」なのだ。甲子園に行くためには関東の大学に入らねばならない。自然と有力選手の分布が関東偏重になる。実際記事でも書いてあったが昨年の全日本大学駅伝ではトップ10が関東の大学で占められた。逆にこれでは「全日本」の名がすたる。
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というわけで「もしも箱根駅伝を全国開放にしたら」を考えてみた。
やはりいきなり本戦出場というのは前回大会で力走した選手に失礼。なのでここは公平に予選会からの出場とする。
予選会は本戦を目指して死闘が繰り広げられる。ここを勝ち抜いた大学が出場できるのだから、たとえ関東以外の大学が出たとしても箱根駅伝に出るレベルは最低限維持される。
もちろん関東の大学にも意地がある。いきなり初出場の大学に優勝をさらわれてはプライドに関わる。そうなることで箱根駅伝自体のレベルがあがる。ひいては学生陸上のレベルが上がる好循環が期待できる。
全国に散らばる有力高校生ランナーにも選択肢が広がるメリットがある。箱根駅伝の伝統校に行きたい人はそこに行けばいい。新興の大学で新しい歴史を作りたければそこに行けばいい。地元に残りつつ箱根を目指す、という道も増えるに違いない。そうすると地方の県に有力ランナーが残るので後輩たちのよき目標になりアマチュア陸上界全体のレベルアップにもつながるかもしれない。
黒柴スポーツ新聞でも陸上はもっともっとメジャーになってもらいたい思いがある。甲子園で活躍した球児がドラフト1位で入団する時の契約金は1億円(これには以前下の記事で異議を唱えたのだが)。
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箱根駅伝で名をはせたスター選手は社会人入りする時どれほどの待遇だろうか。手法の違いはあれど学生時代の貴重な月日を努力したことは高校球児も大学生ランナーも変わらない。今は待遇に差が付きすぎに見える。ゆくゆくはドラフト会議みたいに生中継してどの選手がどのチームに行くかに一喜一憂する時代になってほしい。
次々に結果を出す原晋監督。だからこそ提案がいちいち気になる。これからも動向に注目していこう。
箱根駅伝に関する過去記事はこちら。
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可動域は意識しないと広がらない~志国高知 幕末維新博の「そっくり」ポスターを見て自戒する
可動域を広げる。イチローのトレーニング風景を見たことがあるだろうか。あのイメージ。関節の可動域を広げる、もしくは維持している。可動域はパフォーマンスの可能性、とも言い換えられそうだ。
可動域。気になっていた言葉であり、今も意識している。その思いは先日、日々頭を使って行動している人たちに会いに上京したことで増幅された。良質のアウトプットをするには良質のインプットが必要。当たり前だ。だからこれからも意識が高い人と関わり、美しいものを見ようと思う。
2月11日付の高知新聞で気になる記事を見つけた。
※全文ではないがさわりは下で読めます。
高知県、維新博ポスターそっくり 過去に開催した別の企画展と|高知新聞
「志国高知 幕末維新博」という高知県の観光キャンペーンが3月4日に開幕するが、そのポスターが、2010~11年の「土佐・龍馬であい博」に合わせて開かれた企画展ポスターにクリソツなのだ。酷似の度合いは写真を見て判定してください。
高知新聞記事によると、プロポーザル方式での審査で参加作が基準点に満たなかったため、「維新博のイメージに合う」と審査員から意見があった例のポスターをベースに、当時デザインを担当した会社に高知県が発注したという。
維新博開幕まで時間がなかったからとか、そういう問題ではない。「志国」とか言ってるけど志が低いんじゃないの?とツッコミたくもなる。
デザイン会社は高知県から「あれをベースに」と言われていなかったらまっさらな案を提示したのかどうか。今となっては分からないけれど、クリエイターならそうあってほしい。前に合格点をもらえた会社であれば「ハズす」ことはない。今回の維新博ポスターだって、過去のポスターうんぬんの話を聞かされなければ「華やかでいいね」と思われそうな出来栄えだ。だが見れば見るほどこれはAがA'になった作品である。
長年ものづくりをしてきた人ならいくつも引き出しがある。こういうリクエストにはこう応えたら喜ばれるという方程式がある。そういう顧客本位のテクニックならいい。だが自分自身もある種の弱さに気付いている。こうしたら失敗はしないという逃げ口上的に過去の引き出しをそっと開けていないかな、と。
これは明らかに可動域を狭めている。
大失敗はない。代わりに成長の芽を摘んでいる。気付いたら引き出しはどんどん減る。結果、職人としての関節が動かなくなる。死。それは極論かもしれないけれど。
そうならないためには出来ること、やることを意識して増やすことだ。可動域を広げる。当分これを念頭に行動していこう。
維新博もどうせならケチがついたとひねくれるのではなく「ポスターは一緒だけど中身はグレードアップしています」くらいのお洒落な切り返しを期待したい。高知の歴史やおいしいものに触れてもらうせっかくのチャンスなのだから。
ポスターにまつわる別記事はこちら。
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羽田空港でもパラリンピックに触れられる~未来をつなぐレガシー展3月5日まで無休
熱狂的なメダリストパレードからはや何カ月。
パラスポーツにどっぷりはまっている人を除いて、
一般の人の関心度は元に戻りつつある。
黒柴スポーツ新聞はリオデジャネイロパラリンピック中と直後は連日、
ウィルチェアーラグビーを中心に記事を配信した。
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ウィルチェアーラグビー日本代表が銅メダルをとった瞬間は泣けた。
久々に他人のことで涙が出た。
スポーツの力を再認識させられた。
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一方で関心が元に戻るのもやむを得ないな、とも思う。
日常的に触れられる機会が少ないのだ。
普及、啓発、PRに汗をかかれる現役選手、元選手、指導者の皆さんの尽力には本当に頭が下がる。
だが、機会の創出というのは本当に難しい。
羽田空港美術館ディスカバリーミュージアムで3月5日まで、「未来をつなぐレガシー展」が開かれている。
第3期 もっと知りたいパラリンピック、とチラシに書いてあった。
やっていること自体知らなかったので、急きょ見学。
やはり実物は鳥肌が立つ。
久々にミーハー全開。
ウィルチェアーラグビー日本代表の島川慎一選手実使用ラグビー車が展示されていた。
ボコボコのフレームやホイール(専門用語は分かりませんが)。
これぞラグビー車。
かっこいい。
乗っている選手はもっとかっこいい。
陸上やボッチャ、車いすバスケットボールも紹介されていた。
ボッチャはメダルを取ったし、次の東京パラリンピックでもメダルを取ればさらにメジャーになるだろう。
スポーツはレベルが上がれば上がるほど結果がすべてになっていく。
ファンも増える。
そういう視点で過去にこんな記事を書かせてもらった。
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もちろん勝敗だけでなくその過程から一般の人が感じ入ることはある。
学ぶこともいっぱい。
そこらへんがパラスポーツの良さだと思っている。
いや、あえてパラスポーツだなんて言わない。
スポーツ。
次の東京大会からオリンピックの種目としてパラスポーツが実施されたらなあ、なんて思ったりもする。
未来をつなぐレガシー展の会場で確認したが、一部を除き写真撮影オッケーだ。
ぜひ特に印象に残った展示物をパシャッと撮って「行ってきたよ~」と拡散を。
そういう今風の援護射撃なら、きっとあなたもできる。
羽田空港にちょっと早めに着いた方、お見送りの方、ぜひ気軽に羽田空港美術館ディスカバリーミュージアムへどうぞ。
国内線第2旅客ターミナル3階です。
上記以外のパラリンピック関連記事はこちら。
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分け入っても分け入っても野球古書の山~神田神保町のBIBLIOさん訪問記
野球古書、というジャンルがあるのかどうか。
神田神保町のBIBLIOさん(http://www.biblio.co.jp/)に行った時の話をしよう。
知る人ぞ知るお店である。
サッカーやボクシングなども扱っているが今回は野球の話。
特定の本を探しに行ったわけではなく、行くことが目的だった。
予想より狭い店内。
棚と棚の間が通り道ではあるが180度の方向転換が若干厳しい。
掘り出し物を見つけたいと頑張ってすべての棚をチェックするも死角はギブアップ。
そこも含めてこのお店の魅力であり楽しみ方であろう。
探し物があればお店の方に相談すればよいのだ。
未整理の物も店内にはあるがほしくなったらすぐ対応しますとのこと。
そこで江川卓が表紙の週刊ベースボールを発見。
たしか1976年のものだった。
未整理の山は見る人が見れば宝の山である。
1960年代の週刊ベースボールの列を発見した。
一冊ずつ透明の袋に包まれている。
目安で一冊3240円。
1970年代の物もずらりと並んでいた。
2000円台の物もあった。
調べもので手元に置きたい方は実物を手にいれるビッグチャンス!
ただし一点注意。
1960年代の週刊ベースボールは表紙に内容紹介が2行程度しかない。
何月何日号にお目当ての記事や写真があるのかは事前に調べるべし。
コレクターの方は雑誌のコンディションが気になるだろう。
そこはお店も分かっている。
年代の割りに他より安いなと思うものは傷みがあった。
と言っても見た感じ「年代なりに」と思う。
見た目、美品である。
思わず「どこか傷んでるんですか?」と聞いてしまったくらいだ。
すべてのチームが並んでいるわけではないが見つけたのは巨人の列、阪神の列、中日の列。
巨人の列はさらに長嶋茂雄と王貞治の本が充実。
当時どれだけの人気を誇っていたのか実感できる。
長嶋茂雄と王貞治のファンにはおすすめ。
単行本の相場はやはり3000-2000円といったところか。
5000円台の物もあった。
何せ復刻版というより何十年前に流通していた実物なのだ。
感覚的には骨董品である。
野球の本を一時集めていたのでそこそこ漁っていたつもりだったが見たことないタイトルばかり。
絶版になった物も多数ありそうだ。
もしかしたらその本、もう出会わないかも?
と考えたら軍資金は多めの方がよさそうだ。
アマチュア野球も充実。
甲子園関連本もどっさり。
こってり。
高校野球ファンにはたまらない。
お目当ての年や選手がいたらぜひお宝を掘り当ててほしい。
お店も広くないし探し物には時間がかかるもの。
友人と行くよりは一人でどっぷり浸る場所と思う。
彼氏のみが野球好きであれば彼女さんは別行動でコーヒータイムを過ごしてもらう方がお互い気を使わず済みそうだ。
ちなみにワタクシは1時間半おりました。
今回はあくまでもお店を楽しんだ人間の立場、目線で書きました。
地図も営業時間も定休日も載っているので興味がある方はお店のホームページを見るなりお問い合わせの上ぜひ遊びにおでかけください。
BIBLIOさん
http://www.biblio.co.jp/
野球本関連の記事はこちら。
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